指導変革の軌跡 山形県立酒田東高校「学校改革」
山形県立酒田東高校

山形県立酒田東高校

「知」「情」「意」「力」をキーワードに、文化の発展に貢献できる人材の育成を目指す。04年度から「Do Practice-合い言葉は習慣と実行」を掲げて学校改革を実施。初期指導、学力層別学習指導などの取り組みは、本誌05年10月号で紹介した。

設立●1920(大正9)年

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)●約240名

07年度進路実績●国公立大には北海道大、東北大、新潟大、山形大、筑波大、千葉大、東京外国語大など140名が合格。私立大には慶應義塾大、早稲田大、法政大、明治大、立命館大など延べ148名が合格

住所●山形県酒田市亀ヶ崎1-3-60

TEL●0234-22-1361

WEB PAGE●http://www.
sakatahigashi-h.ed.jp/


石川一男

▲山形県立酒田東高校

石川一男

Ishikawa Kazuo

教職歴25年目。同校赴任歴8年目。進路部長(前3学年主任)。「高い志を実現する強い意志を持ち続けてほしい」

齋藤和浩

▲山形県立酒田東高校

齋藤和浩

Saito Kazuhiro

教職歴20年目。同校赴任歴5年目。進路部(前3学年担任)。「生徒の持っているすべての力を引き出してやりたい」

佐藤敏

▲山形県立酒田東高校

佐藤敏

Sato Satoshi

教職歴16年目。同校赴任歴12年目。総務部長(前3学年担任)。「悩んでも立ち止まらず、前へ進む生徒を育てたい」

加藤千雅

▲山形県立酒田東高校

加藤千雅

Kato Chika

教職歴、同校赴任歴共に6年目。3学年副担任(前3学年担任)。「我慢強く、意志の強い生徒を育てていきたい」

後藤由紀子

▲山形県立酒田東高校

後藤由紀子

Goto Yukiko

教職歴、同校赴任歴共に6年目。総務部(前3学年担任)「どんなに辛くても笑顔でいられる生徒になってほしい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡84


山形県立 酒田東高校「学校改革」

教師・生徒・保護者の団結が「新生・酒東」の可能性を切り開く

● 実践のポイント
学習合宿や「朝の数学」など徹底した教科指導で成績下位層の底上げを図る
生徒に志望校を公言させてモチベーションを高めると共に、学年団の結束を強める
頻繁な懇談会や進路相談会で保護者とのコミュニケーションを密にする

初期指導の徹底で学習への意識を変える

 2007年3月、学校改革1期生の進学実績に、3年生の学年団は、安堵(ど)のため息を漏らした。国公立大合格者数は、前年度の114名から140名へと上昇。東北大合格者は5名から15名に、北海道大合格者は1名から5名に増えた(図1)。改革の成果は、確実に数値に表れていた。
 「Do Practice・合い言葉は習慣と実行」を旗印に、04年度から学校改革に着手した山形県立酒田東高校。本誌が改革の意気上がる同校を取材したのは、改革1期生が2学年に進級していたときだった(本誌05年10月号参照)。
 同校は長年、部活引退後に受験へとスパートをかける「追い込み型」で実績を残してきた。しかし、00年度ごろから教科学力のバランスの悪い生徒が目立ち始め、追い込み型では受験に間に合わなくなっていた。そしてついに、04年度入試では例年120名前後だった国公立大合格者数が90名を下回った。

図1

 危機感を抱いた同校は、04年度から「新生・酒東」を目指す改革を始めた。重視したのは、初期指導だ。1年次の4月の宿泊研修を皮切りに、学習記録の励行、個人面談の充実により、学習習慣の定着、生活指導の強化を図った。生徒一人ひとりに高い目標を掲げさせ、学力層別の学習指導を強化した。生徒もこうした教師の「本気」に応えて、家庭学習時間が増え、模試の成績も例年にない実績を上げつつあった。だれもが「新しい酒東」を予感した。
 改革から3年…。同校はどのように取り組みを深化させ、進学実績に結び付けていったのだろうか。改革の「その後」を追った。


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