教師・生徒が足並みをそろえるだけではなく、保護者の支持を得られたことも、改革の推進力となった。
「新しい取り組みを次々と始めたことで、『ここまでしなくても』と思う保護者が少なからずいたようです。ただ、模試の成績が順調に伸び、服装や挨拶など生活面においても地域の評判が高まる中で、保護者に『学校に任せておけば何とかなる』という意識が生まれたことを感じました。その後の取り組みもスムーズに進められるようになりました」(石川先生)
保護者と直接話す機会も積極的に増やした。1年次から学年ごとの懇談会を頻繁に行い、学年団全員ですべての保護者と接するよう努めた。2年次の12月には、保護者の出席しやすさも考えて、同校としては初めて、進路相談会を夜7時から実施した。志望校別に「超難関大・医学部」「難関大」「ブロック大」「地方国公立大」に分け、受験に必要な学習や試験の傾向、心構えなどについて説明した。猛吹雪の日もあったものの、2日間で延べ約160名の保護者が参加した。
「学校への信頼感と共に、どんな情報も前向きに吸収していこうとする、保護者の意欲を感じました」と齋藤先生は振り返る。教師の熱意が保護者を巻き込み、保護者の意欲が更に教師のモチベーションに火をつける、そんな好循環が学年団と保護者の絆を深めていったのである。
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