指導変革の軌跡 茨城県・私立清真学園高校・中学校「学習意欲の向上」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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事前・事後指導で生徒の意欲を高める

 05年度には、同校はオーストラリアの学校と姉妹校の提携をした。高1生と高2生の男女各5名、計20名が夏季休業中の10日間に渡って、オーストラリアのパシフィック・ルーサラン・カレッジを訪問し、共同授業や日本文化の紹介などを通して姉妹校の高校生と交流する。
 派遣生は英語の試験と面接で選抜するが、重視するのは面接だ。国際交流担当の吉川祥代先生は、「英語の成績よりも、国際交流を通じて何を学びたいのか、目的意識をはっきり持っているかどうかを重視して、生徒を選びました」と述べる。生徒の国際性を育むために始めた取り組みだが、「外部からの刺激」として、生徒の学習意欲を喚起する上でも効果があるという。
 「帰国後、派遣生が交流を通して感じたことを友だちに語ることが、ほかの生徒にも大きな刺激になっているようです。更に、部活動を通じて下級生にも影響を与えました。先輩の話を聞いて『次の派遣はいつですか』と聞きに来る生徒や、派遣を目指して英語の学習に熱を入れる生徒もいます」(吉川先生)
 学力面ではベネッセの「GTEC for STUDENTS」において、派遣生のリスニング力に大きな伸びが見られた。意欲を高めるだけでなく、英語力の向上にも効果を上げているのだ。
 同校では、これらのいずれの取り組みでも事前・事後の指導をしっかり行い、生徒に取り組みの意義を浸透させている。
 土曜セミナーでは、事前に学級担任が講演会にかかわる学問分野をレクチャーし、事後には講演会の内容や感じたことをレポートにまとめさせている。
 職業座談会では、事前にワークシートを配付して質問を考えさせ、事後には質問に対する回答や座談会の要旨を書かせている(図1)。ワークシートは、講師役の卒業生にも見てもらい、次回の参考にしてもらう。

図1

 国際交流では、12回の事前学習を通して、効果的な自己紹介の仕方やオーストラリアの地理や歴史などを学び、日本の文化を紹介するための準備もする。帰国後はレポートを作成し、代表1名が、中2生~高1生参加の集会で報告を兼ねてプレゼンテーションを行う。
 「漫然と体験させるのではなく、事前学習で興味を引き出し、事後指導で学んだことを定着させることで、活動で生まれた生徒の意欲を更に高めようとしています」と佐藤校長は強調する。


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