指導変革の軌跡 茨城県・私立清真学園高校・中学校「学習意欲の向上」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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アチーブメントテストで中だるみを防ぐ

 中だるみを防ぐ上で、より実効的な役割を担っているのは、中3の6月に行うアチーブメントテストだ。教科は国数英で、内容は公立高校の入試レベルで、中学校の学習内容の到達度を測る。合格ラインは100点満点中60点となっており、不合格だった生徒は2週間後に再テストを受ける。そこで3教科のうち一つでも規定点数に達しなかった生徒は、個人指導や特別講習の対象者となる。年度によって増減はあるが、各教科とも数名の不合格者が出るという。
 特別講習は、夏休み中、前期・後期の2回に分けて1週間ずつ行い、夏休み終了後にチェックテストを行う。「生徒は中2の後半くらいから、アチーブメントテストを意識し始めます。基礎学力の定着だけでなく、中だるみを防ぐ意味でも、良い刺激になっています」と石塚先生は言う。
 また、特別講習について、金子敦先生は、「教師には、日頃の指導の在り方を見直す、良いきっかけになっている」と指摘する。
 「普段の授業では、クラス全体を指導するため、一人ひとりの生徒の理解度まで把握することは難しい面があります。一方、特別講習は個人指導に近い形で行うので、生徒がどこまで理解しているのか、どこでつまずいているのかが手に取るようにわかります。そうした経験を、次年度の指導に生かすことができるのです」
 今後の課題は、外部と内部の刺激による相乗効果を高め、より高い学習意欲へと結び付けていくことだ。
 「進学実績だけで言えば、これまで、本校はそれなりの結果を出してきました。ただ残念なことに、大学進学後に安易に進路を変更してしまう生徒が少なからずいます。そうした現状を考えたとき、私たちがすべきことは、社会に出たあとまで、自分で決断し、自ら身を処していける力を身につけさせることだと思うのです。そうした『自立した生徒』を育てるためにも、さまざまな刺激を与え続け、充実した6年間を過ごさせることが大切だと考えています」(佐藤校長)
 自分の進む道をためらうことなく、自ら人生を切り開いていく――。そんな生徒が数多く輩出することが、同校の改革のゴールなのだ。

column 中3生の職業体験


外部からの刺激」の一環として、同校では中3生を対象に職業体験を行っている。企業や病院、学校など約40の施設から1つを選び、1日間、職場を体験するものだ。生徒自ら職場を開拓することも可能で、毎年数名の生徒が自ら希望する企業と交渉している。また、講演会や国際交流と同様、職業体験においても事前・事後指導に力を入れている。特に、実施後の発表会はクラス代表が競い合う学年のイベントとして、生徒には大きな刺激となっている。


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