特集 変わる地方国立大
岸澤眞一

▲埼玉県立越谷北高校

岸澤眞一

Kishizawa Shinichi

教職歴25年目。同校に赴任して8年目。進路指導主事。「社会に出てからも伸びる生徒を育てたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【高校の現場から】

生徒に自信を持って情報提供するために
地方国立大に期待すること

国立大学法人化以降、国立大は高校に対してさまざまな形で情報を提供しているが、それらは伝わっているのか。東京の私立大への進学者が多い埼玉県立越谷北高校と、地元の国立大に進学者の多い高松第一高校(香川県高松市立)、両校の先生方に、どうすれば地方国立大の特色や魅力を生徒に伝えられるのかを聞いた。

埼玉県立越谷北高校 岸澤眞一先生

国立大には熱意を持って
自校の魅力を語ってほしい

国立大に魅力を感じず私立大へ流れる生徒

「国立大には、熱意を持って自校の魅力を語ってほしい」
こう話すのは、埼玉県立越谷北高校進路指導主事の岸澤眞一先生だ。同校から地元の国立大に進学する生徒は例年学年の2~3割だ。しかし、高校入学当初から国立大に関心がないわけではない。2006年度卒業生の場合、国公立大志望者の割合は、1年生のときで77%、2年生でも73%だった。それが3年生になると57%に急減し、実際の受験率に至っては38%まで落ち込んだ。
「こうした傾向が見られるのは、この学年だけではありません。例年、学部・学科研究が進み、国公私を含めた大学間の比較が深まるにつれて、次第に国公立大の志望者は減り、その多くが東京の私立大に流れていくのです」と岸澤先生は話す。
理由の1つは、地元の国立大の学部構成にある。設置学部数が多くはないため、それ以外の学部系統を志望する生徒は、私立大にも目を向けるようになる。もう1つは、地理的な理由だ。同校のある越谷市は県南東部に位置し、東京まで電車で1時間ほど。東京の私立大にも十分通える距離にあるためだ。


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