▲国立大学マネジメント研究会会長 学校法人立命館副総長
本間政雄
HOMMA Masao
ほんま・まさお◎1948年生まれ。名古屋大法学部政治学科卒業。LSE修士号取得。在仏大使館1等書記官、文部科学省高等教育局専門教育課長、同初等中等教育局高等学校課長、横浜国立大事務局長、京都大副学長等を経て現在、学校法人立命館副総長(新戦略・国際担当)、立命館大教授、大学行政研究・研修センター長。専門分野は行政学、高等教育政策論、大学経営論。
運営費交付金のカットや私立大との競争など、厳しい環境下に置かれ、改革を加速させている地方国立大。今後、どのように変化していくのだろうか。 国立大学マネジメント研究会会長の本間政雄氏に聞いた。
今日の国立大の改革につながる構想は、2001年度の文部科学省「大学の構造改革の方針について」で示されました。91年をピークに18歳人口が減り続けているにもかかわらず、規制緩和によって大学の新規参入は加速し、大学間の競争は苛烈の一途をたどっています。しかし、国立大は国の機関として毎年豊富な運営費交付金を確保できるため、業務が非効率になりがちでした。しかも、圧倒的な知名度と安い授業料によって多くの受験生が集まるため、大学を変えて学生の満足度を向上させようという意識も希薄でした。 そこで、文部科学省は、「大学の再編・統合」「国立大学の法人化」「競争的環境の導入」を柱とする改革プランを示し、大学改革の活性化を図りました(図1)。04年度にはすべての国立大が法人化され、教職員は公務員ではなくなりました。その翌年から運営費交付金が毎年1%ずつカットされることになり、国立大は競争的環境の下、否が応でも改革を進めざるをえなくなったのです。