AO入試での選考はプロセスを重視するため、7月の出願から12月の決定まで選考は長期に渡る。受験生の意欲や目的意識、将来性を見極める必要があるからだ。レポートを作成する1次選考、プレゼンテーションや口頭試問を含む面接による2次選考のほか、1次選考合格者への通信指導や2回程度の個別面談も実施。受験生と大学が4回ほどの面談を通して相互理解をじっくり深めていく。
「『将来の山形県はどうあるべきか』と聞いても、高校生にはそこまで考えが至らないかもしれません。しかし、大学とのやり取りをきっかけに思いをめぐらせてほしいのです。残念ながら合格しなかった受験生にとっても、別の進学先を選ぶときに役に立つ、満足度の高い入試でありたいと考えています」(山本教授)
来年度以降はAO入試の入学者を追跡しながら、まわりの学生への波及効果などを調べていく。
「大学の活性化に効果があることがわかれば、AO入試の枠を拡大することも考えられます。今回は地元から入学して地元に巣立つというものですが、全国から入学者が来て、それぞれ地元に戻っていくという本学の特徴を生かしたAO入試の在り方が可能かどうかも模索していきます。このAO入試が大学が変わる一つの突破口になると捉えて、大胆に取り入れていきたいと考えています」(山本教授)
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