特集 変わる地方国立大

和歌山大

◎和歌山師範学校、和歌山青年師範学校、和歌山経済専門学校を前身として発足。「学生満足(SS:スチューデント・サティスファクション)」は指針の1つ。オフィスアワーの充実、自主性・創造性涵養のための自主演習制度、専門能力を習得するためのエキスパートコースの設置など、さまざまな改革を進めている。

設立●1949(昭和24)年

設置学部・07年度入学定員●教育学部200名/経済学部410名(うち観光学科80名)/システム工学部300名

教員数●312名(07年5月現在)

進路状況(06年度)●卒業者数897名、進学者数158名、就職者数624名、その他115名

住所●和歌山市栄谷930

TEL●073‐457‐7007(企画総務課)

WEB PAGE●http://www.wakayama-u.
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小田 章

▲和歌山大学長

小田 章

Oda Akira

経営学修士。2002年8月和歌山大学長。

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【事例4・学部の新設】

和歌山大

観光学部の新設を機に地域連携を進め
学生満足度を向上させる

和歌山大は2008年度に国立大として初めて観光学部(定員110名)を設置する。国の「観光立国宣言」やユネスコの世界遺産登録などにより観光への関心が高まる中、全国の大学から注目を集めている。私立大との競合を視野に入れ、オンリーワンの価値創造を目指す、同大学の現状と展望をレポートする。

地域貢献を柱の1つに据えて連携を深める

 和歌山大は、国立大の法人化が視野に入り始めたころから、教育、研究に加え地域貢献・社会貢献を第三の柱に据え、地域との連携を模索してきた。小田章学長は、「これまで私たちの目はどちらかというと地域よりも中央に向いていました。しかし、国立大を取り巻く環境が厳しさを増す中、存在感をより発揮するには大学の魅力を積極的に発信し、地域との連携を深めることが大切」と話す。
 2005年には、和歌山県知事の要望に応え、高等教育機関の手薄な県南部の田辺市にサテライトキャンパスを設置。理科離れの問題に対応するため、地域の小・中学生を対象に、学生と大学教員、中・高校教師が一緒に理科の楽しさを伝える「おもしろ科学まつり」や、教育学部理系分野の学生と教員が小・中学校に出向いて理科実験を行う「実験工作キャラバン隊」などを展開している。
 また、大学教員の更なる情報を提供するために、06年6月には同大の約300名の教員が一堂に会し、教育・研究をPRする「教員メッセ」を開催した。当日は、地元の高校や予備校、企業関係者ら1000名以上が来場し、産学連携や研修への協力を求めて、教員にコンタクトを取る姿が見られた。小田学長は、「大学が積極的に情報を発信することで、本学に対する地域の理解が深まる一方、大学が地域から大きな期待を寄せられていることを実感できました。『教員メッセ』を機に、より多くの教員が社会に目を向けるようになりました」とその成果を話す。


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