観光学部は観光経営学科と地域再生学科からなる。経営、行政、医療や環境、歴史まで幅広く学び、観光産業や観光マネジメント、地域再生にも力を発揮できる人材を育成する。
教育体制としては、観光学部を学内の「特区」と捉え、同学部の学生のみが履修できるカリキュラムを導入する。その一つは日本文化に関する教養教育だ。「伝統芸能論」「着物文化論」「茶道論」などを必修科目とし、観光学部生にふさわしい教養の習得を目指す。ユニークなのは英語エクステンション講座だ。民間の英会話学校と提携し、週4回各90分の英会話レッスンを1年半受講し、コミュニケーション能力を高める。
「大学が最も重視すべきは学生の満足度の向上です。こうした取り組みは、既存学部の学生から要望があれば広げていくつもりです。学生が『和歌山大に来てよかった』と思える教育や支援を、すべての教職員が心がけることが肝要で、そうすることが本学に対する受験生や企業からの評価につながるのです」(小田学長)
ただ、単に実学を志向するだけでは専門学校と変わらない。観光学部設置の背後には、日本における観光学を確立したいという思いもある。
「今後、海外の提携校の研究成果も取り入れながら、経済や歴史、音楽など、観光にかかわるあらゆる学問を総動員し、我が国における観光学の拠点として積極的に国内外に成果を発信するつもりです」(小田学長)
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