指導変革の軌跡 和歌山県・私立開智中学校・高校
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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宿泊研修で学習方法と「支え合う心」を身につける

 初期指導の最大の山場は、4月10日ごろに行われる2泊3日の宿泊研修だ。学校の授業を中心とした生活習慣の確立と、効果的な授業の受け方の指導を中心としたプログラムになっている。
 まず、国数英の3教科について、ノートの取り方、授業の受け方、予習・復習の仕方など、教科別に徹底的に指導し、同校の生徒としてふさわしい「学習の型」を身につけさせる。中学生までは予習をしたことのない生徒もいる。そこで、予習段階のノート、授業後のノートの2通りのサンプルを生徒に配付する(図1)。生徒は2通りのサンプルを見比べながら、授業のポイントの押さえ方やまとめ方を体得する。
 生徒同士の親睦を深めるためのレクリエーションは、開智高生としての自覚を促す上で欠かせない取り組みだ。07年度の宿泊研修では、淡路島沖の海上でカッター訓練を実施。8艘のカッターボートに20名ずつ分乗し、スピードを競い合う。「カッターボートは、皆で呼吸を合わせて一斉にオールを漕がないと前に進みません。体力だけでなく、協調性、集中力を身につけるにはうってつけのスポーツです」と岸本先生は述べる。
 オリエンテーリングでは、班ごとに生徒同士が助け合いながら小高い山に登った。先を行く生徒が遅れ気味の生徒を助けながら丘を登る姿も見られた。西下校長は、「あらゆる面で教え合い、励まし合い、競い合うことが学校教育の原点。学習やレクリエーションを通して支え合う心を育てることも、宿泊研修の狙いの一つです」と述べる。

図1:初期指導用のノートサンプル

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