指導変革の軌跡 岐阜県立海津明誠高校
岐阜県立海津明誠高校

岐阜県立海津明誠高校

岐阜県立海津高校と岐阜県立海津北高校が統合して2005年に開校した総合型選択制高校。「夢を実現できる人」「信頼される人」「ふるさとを愛する人」の育成を目指す。07年にマルチメディア、介護福祉等の実習室を備えた新校舎が竣工した。

設立●2005(平成17)年

形態●全日制/普通科・情報処理科・生活福祉科/共学

生徒数(1学年)●約240名

07年度進路実績●4年制大には、富山大、名古屋工業大、岐阜県立看護大、愛知県立大、都留文科大、尾道大、愛知大、中京大など延べ57名が進学。その他、短大・専門学校等延べ101名、就職83名。

住所●岐阜県海津市海津町高須町11-1

TEL●0584-53-1155

WEB PAGE●http://school.gifu-net.
ed.jp/kmeisei-hs/


松久聡

▲岐阜県立海津明誠高校校長

松久聡

Matsuhisa Satoshi

教職歴32年目。同校に赴任して1年目。「2つの学校の伝統を大切にしながら、魅力ある学校をつくっていきたい」

渋谷恭司

▲岐阜県立海津明誠高校

渋谷恭司

Shibuya Kyoji

教職歴31年目。同校に赴任して7年目。教務主任。「人生のスケジュールをきちんと立てられる生徒を育てたい」

西脇誠

▲岐阜県立海津明誠高校

西脇誠

Nishiwaki Makoto

教職歴27年目。同校に赴任して6年目。進路指導主事。「生徒自身が気づいていない隠れた力を引き出したい」

曽根章好

▲岐阜県立海津明誠高校

曽根章好

Sone Akiyoshi

教職歴20年目。同校に赴任して7年目。3年学年主任。「『自他共楽、拳禅一如』の精神を持った生徒を育てたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡89


岐阜県立海津明誠高校「進路指導」

生徒主体の進路行事で自主性の醸成を目指す

● 実践のポイント
進路行事は生徒に自ら考えて活動させ、試行錯誤と成功体験を積ませる
「パーソナルポートフォリオ」として3年間の進路行事の資料をファイリングし、明確な志望理由に発展させる
生徒間・教師間の融和を図り、全校体制で取り組みを実施する土台を築く

自ら将来を切り開く力を身につけさせたい

 岐阜県立海津明誠高校は普通科、情報処理科、生活福祉科を擁する総合型選択制高校だ。県の高校改革の一環として、2005年度に普通科の岐阜県立海津高校、専門科の岐阜県立海津北高校が統合して設立された。松久聡校長は、新しくなった学校の様子を次のように話す。
 「本校には素直な生徒が多く、またヨット部女子がインターハイ優勝、情報処理科は全国プログラミングコンテスト最優秀賞、生活福祉科もホビー大賞で文部科学大臣賞を受賞するなど、部活動や特別活動でも顕著な実績を上げています。しかし、近年は景気回復により就職しやすくなった上に、少子化により大学進学もそれほど難しくなくなったため、生徒には何かにこだわりを持って奮起する力が欠けていると感じています。将来の夢を持たせることが、これまで以上に必要だと思います」
 統合前の海津高校では、職業人講話や企業訪問などさまざまな進路行事に取り組み、進路学習を体系化していた。2つの専門科を持つ海津北高校と統合したことで、生徒の進路はより多様化し、自ら将来を切り開く力を身につけさせることがより重要となった。
図1:2007年度の主な進路行事(抜粋)

※「ぎふ総合型選択制高校」について


岐阜県が設置する「ぎふ総合型選択制高校」では、あくまで学科の枠を崩さず、入学時から各学科に所属する形態をとる。1年次から専門科目を履修して専門性を深めると同時に、3年次では他科の科目も一定数履修できる。例えば、情報処理科の生徒が大学進学を目指して、普通科の科目を履修したり、普通科の生徒が進学や就職を前に商業系の科目を履修したりできる。普通科・専門科それぞれの教員層が厚くなるため、質の高い授業を展開できる。


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