指導変革の軌跡 岐阜県立海津明誠高校「進路指導」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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校舎の統合で生徒間・教師間の融和が課題に

 3年間を見通した進路指導を行うためには、学校全体として目指す方向性を統一し、教師の足並みをそろえることも欠かせない。しかし、同校は、統合により普通科、情報処理科、生活福祉科という性格の異なる科が並存している学校だ。それだけに、生徒間・教師間の融和とカリキュラムの統合が課題だった。3年学年主任の曽根章好先生は、次のように述べる。
 「学年横並びで取り組みを進める普通科と、科の独立性が強い専門科の教師では、取り組みに対するスタンスが異なります。また、互いの指導方針についても理解し合えていない部分が少なくありませんでした。しかし、地域や中学校から見れば海津明誠高校という一つの学校です。各科のノウハウを共有し、教師全員が同じ方向で指導にあたる意識と体制を整える必要がありました」
 生徒も、高校が統合されたとはいえ、校舎が別々だったこともあり、科が違う生徒同士が言葉を交わすことはあまりなかったという。
 そこで、07年4月に新校舎が完成し、3科の生徒と教師が同じ校舎で学校生活を送るようになったことを機に、学年全体で取り組む活動を次々に取り入れた。
 生徒に対しては、就職希望者を対象に志望理由書の書き方や面接の仕方などをレクチャーする「就職者サポート授業」、大学進学希望者を対象とした「小論文講座」などを、いずれも全科横断で実施した。
 教師についても、学年会や企画委員会など通常の会議のほか、07年度からは月1回の主任会を新たに設けた。
 「各活動の企画・運営の主体は企画委員会ですが、そのプレ企画や情報収集は主任会が行います。それまでは、学校全体の取り組みについて企画委員会に諮っても、すぐに決まらないこともありました。主任会でざっくばらんに語り合うことで、相互理解が深まると共に、意思決定もスムーズにできるようになりました」と、曽根先生は説明する。


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