全校集会や始業式など、学校全体が集まる場では、必ず生徒指導部長や学年主任が体育館の入り口に立って服装や頭髪をチェックする。また、全学年で月1回、予鈴と共にすべての正副担任が学年の廊下に立ち、生徒に服装指導をしたり、時間励行を呼びかけたりする「学年廊下指導」も展開している。
ただ、教師が声に出して直接指導することだけが、同校の生徒指導ではない。教師は始業前にそれぞれ教室の前に立ち、ベルが鳴ると同時に教室に入る。また、教師は全員、スーツにネクタイ着用で、常に礼儀正しく振る舞う。教師自身が良き模範となり、社会人に必要なマナーの大切さを生徒に気づかせるのである。
「あえて教えなくても、教師が自ら態度で示すことで、生徒は自然とそれを見習うようになります。教師の率先垂範こそが最も効果的な生徒指導です」と、荒井校長は強調する。
仲間や先輩との関係の中で成長を実感し、教師の後ろ姿を見ることで自ら襟を正す。同校が受け継いできた自治の伝統は、同校の生徒指導の根幹として、今なお息づいている。 |