特集 生徒を大人にする「生徒指導」

鹿児島県立鹿屋(かのや)高校

◎2007年度に創立84周年を迎えた。「知・徳・体」を校訓とし、心身共に健全でバランスのとれた人間の育成を目指す。例年、生徒のほとんどが上級学校へと進学する一方で、部活動も盛ん。2006年度には全国高等学校野球選手権大会鹿児島大会で準優勝を収めた。

設立●高校:1923(大正12)年

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)●320名

07年度進路実績●国公立大には、鹿児島大40名、宮崎大17名、九州大6名、広島大6名、岡山大3名、北海道大2名、横浜国立大1名など167名が合格。私立大には、早稲田大4名、東京理科大4名、中央大2名、関西学院大2名など延べ187名が合格。

住所●鹿児島県鹿屋市白崎町13-1

TEL●0994-42-4145

WEB PAGE●http://www12.synapse.ne.jp/
kanoyakoukou/


松高全一

▲鹿児島県立鹿屋高校教頭

松高全一

Matsutaka Zenichi

教師歴25年、同校に赴任して1年目。「豊かな心で生きられる人間に育つように、生徒をサポートし続けたい」

下京洋一

▲鹿児島県立鹿屋高校

下京洋一

Shimokyo Yoichi

教師歴30年、同校に赴任して4年目。生徒指導主任。「厳しく指導しつつも、『慈育』の心を忘れないようにしたい」

川崎辰也

▲鹿児島県立鹿屋高校

川崎辰也

Kawasaki Tatsuya

教師歴12年目。同校に赴任して7年目。3学年担任。「当たり前のことも一生懸命に取り組める人を育てたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例2】

鹿児島県立鹿屋(かのや)高校

生徒の主体性を尊重し、「自主規制」を引き出す

文武両道を実践し、伸びやかに学ぶ鹿屋高校の生徒。
その主体的な学びの姿勢は、生徒の「自主規制」を引き出す指導から生み出されている。
そこには、どのような工夫があるのだろうか。

生徒指導なくして学習指導は成り立たない

 鹿児島県大隅半島の中央部、鹿屋市に位置する鹿屋高校は、2007年度に創立84周年を迎えた伝統校だ。創立以来の校訓は、「知・徳・体」を兼ね備えたバランスのよい生徒の育成である。その実現に向けて、生徒指導には非常に熱心だ。生徒指導主任の下京洋一先生が、その方針を説明する。
 「まず生徒指導で人間的な成長を促すことが大切。その土台があって初めて、学習指導や進路指導が成り立つからです」
 そうした指導の成果は、生徒の「文武両道」の活躍に表れている。進学校として、毎年、160名以上の国公立大合格者が輩出する一方、05年度に書道部が国際高校生選抜書展の団体で全国優勝し、更に06年度には野球部が全国高等学校野球選手権大会鹿児島大会で準優勝を果たすなど、体育系、文化系共に部活動が盛ん。8割以上の生徒が部活動に加入している。
 地域には同校の卒業生が多く、「知・徳・体」の三つの資質から、生徒は「三星健児」と呼ばれ、大きな期待を寄せられている。母校を誇りに思い、希望して赴任してくる同校出身の教師も少なくない。教頭の松高全一先生は、「そのような環境の中で生徒は鹿屋高に通うことを誇りに感じ、学校への帰属意識も伝統的に高い」と、生徒の様子を語る。

図1

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