私たちは、いつ地震が起こるかは今のところ予測することができません。しかし、ある都市の周辺にどのような地震が起こり、生じた波動がどのように伝播し、更に地盤構造によってどのように影響されて地面がどう揺れるかは、定量的に算定できるレベルに来ています。更に、地震動が建物を壊すメカニズムについては、近年までわかっていませんでしたが、1995年の兵庫県南部地震(※4)以来、物理的なモデリングが急速に発達し、学問的にもずいぶん進歩しました。地震が発生した際、どの地域でどんな高さ、どんな工法の建物が被害を受けたかを調査し、設計上の想定値と実際の建物の被害を照らし合わせていきます。そうして、今の耐震基準や建築基準の問題点を明らかにしてきたのも研究の一つです。 |