指導変革の軌跡 福島県立安積黎明高校「導入期指導」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「学習プログレス」で学習習慣の定着を図る

 学習習慣の定着を含めた、本格的な導入期指導が始まるのは、第2期=入学直後の指導だ。ここでは、「特別指導」により高校での学習方法を体得させることが主眼となる。
 特別指導は2段階に分けて行われる(図1)。前半は「特別指導Ⅰ」として、シラバスの使い方を含め、同校の教科指導、進路指導、生徒指導の方針を伝える。後半は「特別指導Ⅱ」として、実際の授業を予習→授業→復習という流れに沿って体験させる。07年度は、「特別指導Ⅰ」を1日、「特別指導Ⅱ」を2日(それぞれ75分3コマ)、計3日間で実施した。
 特別指導で学んだ学習方法を定着させ、学習習慣を確立するためのアイテムが「学習プログレス」だ。毎日の学習・生活状況を記録するための冊子で、十分な学習時間を確保し、生活のリズムを整えるための自己管理能力を身につけることを狙いとしている。

図1

 自宅学習時間の目標は、学年+2時間だ。記入に際しては、生徒はまず「週末に理社の復習を行い、完全に理解する」など、1週間の目標を立てる。その上で、授業や部活動、家庭学習で取り組んだ教科と時間、就寝・起床時間を毎日書き込んでいき、毎週月曜日に担任に提出する。担任は所見を添えて、月曜日の下校時までに生徒に返却する。
 担任は生徒の生活や学習状況を見ながら、気になる生徒には声をかけ、必要であれば個人面談を行う。「『学習プログレス』は生徒の状況を把握できるだけでなく、声をかけるきっかけにもなる」と、佐藤先生は言う。
 07年度からは、Ⅰ期入試合格者に対する入学前指導にも「学習プログレス」を活用している。入学内定時、前述の課題と共に「学習プログレス」を渡して、入学式までの毎日の学習・生活状況を記録させる。そして、保護者の所見、中学校の担任と校長の検印を添え、3月半ばの合格発表の日に課題と一緒に提出させる。課題テストで学力の底上げを図るだけではなく、「学習プログレス」により、入学前から規則正しい生活を意識させている。


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