指導変革の軌跡 埼玉県・私立浦和学院高校
埼玉県・私立浦和学院高校

埼玉県・私立浦和学院高校

「克己・仁愛・共生」を校訓に、世界で通用する人格を育成する。難関大合格を目指すⅠ類、部活動と学習の両立を図りながら進学を目指すⅡ類、情報・美術の専門教育を中心とするⅢ類の3類型により、多様な進路志望を持った生徒に対応している。

設立●1978(昭和53)年

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)●約800名

07年度進路実績●国公立大には筑波大、埼玉大、千葉大、東京学芸大、東京工業大など24名が合格。私立大には、青山学院大、慶應義塾大、東京理科大、明治大、立教大、早稲田大など延べ120名が合格。

住所●埼玉県さいたま市緑区代山172

TEL●048-878-2101

WEB PAGE●http://www.uragaku.ac.jp/


原田豊

▲浦和学院高校教頭

原田豊

Harada Yutaka

教職歴27年目。同校に赴任して7年目。「どんなことにでも本気でぶつかっていける生徒を育てたい」

石原正規

▲浦和学院高校

石原正規

Ishihara Masanori

教職歴、同校赴任歴共に27年目。進路指導主幹。「何事にも全力で取り組みたいと思います」

落合敏郎

▲浦和学院高校

落合敏郎

Ochiai Toshiro

教職歴、同校赴任歴共に19年目。Ⅰ類進学指導主任。「受験期は人生の成長期と捉えて、全力で指導していきたい」

菅原美香

▲浦和学院高校

菅原美香

Sugawara Mika

教職歴・赴任歴共に17年目。3学年進学指導主任。「絶えず生徒を見つめ、誉めて、認める指導を心がけています」


VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡91


埼玉県・私立浦和学院高校「進学実績向上」

データベースを整備し面談と模試を充実させる

● 実践のポイント
「面談準備シート」の活用、進路情報のデータベース化により面談を充実
模試の徹底活用と事前事後の検討会で、成績下位層を下支え
「リテラシー教育」により、実社会で役立つスキルの修得を目指す

少子化時代を見据え進学強化を打ち出す

 さいたま市郊外にある浦和学院高校は、1学年の入学定員が800名という県内屈指の大規模校だ。全国大会常連の野球部をはじめ、サッカー部や弓道部、パワーリフティング部など、全国区の部活動を数多く抱えるスポーツ名門校でもある。
 しかし、部活動での目覚ましい実績に比べて、進学面においては長らく芳しい実績を上げることができていなかった。6年前、同校に赴任した原田豊教頭は次のように話す。
 「部活動の評価だけでは、これからの少子化時代に生き残りを図るのは難しい。進学面でも実績を上げ、選ばれる高校へと変革する必要がありました」
 進学実績向上に向けた改革を進めるに当たって、同校は二つの柱を掲げた。一つは難関大の合格実績向上、もう一つは現役進学率の向上だ。
 当時の同校には、進学指導を効果的に行うノウハウが十分蓄積されていなかった。模試に対する意識が希薄で、同じ学年で異なる業者の模試を採用していたために、生徒の学力の推移も把握できていなかった。その年の現役進学率を聞いても答えられない教師が少なくなかったという。
 大学進学に対する生徒のモチベーションも低かった。「偏差値60くらいの生徒でも、明確な進路意識を持っていない生徒が少なくない中で、本校には率直に言って、最初から『自分が大学に行けるわけはない』とあきらめてしまっている生徒もいました。現役進学率を向上させるには、まず、さまざまな方面から働きかけて進路意識を芽生えさせ、それを徹底的に鍛え上げていく必要があると考えました」(原田教頭)
 一方、難関大の合格実績は、進路意識の向上や指導の充実だけで上げられるものではない。そこで、同校は従来の類型を改編し、02年度に「難関大現役突破」を旗印としたⅠ類を新設、高度な指導についていける生徒を受け入れる方針を打ち出した。
 進学校へと脱皮を図る同校の改革はこうして始まった。


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