面談の強化と併せて、難関大を目指すⅠ類では、朝自習や放課後補習、週末の学習合宿、長期休暇中の合宿および登校講座など、新しい取り組みを次々と始めた。
模試は進研模試に統一し、運営方法も抜本的に改めた。模試の1か月前にはクラス担任と教科担任で検討会を行い、どの偏差値帯を何名にするのか、そのためにどのような指導を行うのかを確認する。生徒は3年分の過去問に取り組み、自己採点で自分の強み、弱みを把握。その上で模試を受け、結果の返却後には解説を見ながら間違えた部分をすべて解き直す。教師たちは再度検討会を開き、どの程度目標を達成できたのかをデータで確認。目標を達成した教科担任には成功事例を発表してもらう一方、目標に届かなかった教科については、授業や補習でどのようにフォローしていくか、次回の模試へ向けた具体策を考える。
検討会では前回の模試結果や志望校など、必要最低限の情報だけをデータベースから抽出して検討材料にしている。
「情報量はなるべく絞るのが本校のスタンスです。豊富なデータがあると多く並べたくなりますが、資料が多すぎると消化しきれません。資料は極力絞って考えをまとめやすくし、会議で意見が活発に出るようにしています」(石原先生)
更に、Ⅰ類では進研模試の偏差値45を最低ラインとして、これを下回った生徒については、集会を開いて指導プランを伝え、特別補習のほか個別面談を実施し、学習方法や予習・復習の仕方の見直しを図る。これによって、生徒の間に「偏差値45ではダメなんだ」という意識が浸透、45以下の生徒は劇的に減ったという。
最も大きな変化は、会議で教師が活発に発言するようになったことだ。Ⅰ類を統括する落合敏郎先生は、その理由を次のように分析する。
「以前は特定の教師が話すことが多かったのですが、最近では、どの先生も積極的に自分の意見を述べるようになり、議論が活性化しています。偏差値45以下は出せないという責任感、模試前後2回の検討会を実施することによる当事者意識、そして何よりも実績が出ていることに対するやりがいや満足感が、教師の意識を前向きにしているのだと思います」
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