特集 高め合う担任の進路指導力

広島県立呉三津田高校

◎2006年に創立100周年を迎えた県内屈指の伝統校。03年度に県の進学指導拠点校に指定される。確かな学力と豊かな心を育む「知・徳・体の基礎基本の徹底」と、信頼される学校、開かれた学校づくりを進める「評価と公開」など、幅広い教育改革に取り組んでいる。

設立●高校:1907(明治40)年

形態●全日制・定時制/普通科・理数科/共学

生徒数(1学年)●230名

07年度進路実績●国公立大には、北海道大4名、東京大4名、名古屋大1名、京都大2名、大阪大10名、広島大31名、九州大11名など151名が合格。私立大には、慶應義塾大、早稲田大、同志社大、関西学院大など延べ400名が合格。

住所●広島県呉市山手1-5-1

TEL●0823-22-7788

WEB PAGE●http://www.kuremitsuta-h.
hiroshima-c.ed.jp/


久保元成

▲広島県立呉三津田高校

久保元成

Kubo Motonari

教職歴32年目。同校に赴任して6年目。3学年主任。「成功した者はみな努力していることを教えたい」

山西 豊

▲広島県立呉三津田高校

山西 豊

Yamanishi Yutaka

進路指導部長。教職歴21年目。同校に赴任して5年目。「失敗を恐れず、夢を描き、努力させたいです」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例2】

広島県立呉三津田高校

データを基にした多面的な生徒把握で進路指導力を高める

データを基にした多面的な生徒把握を行い、クラス担任の進路指導力の向上を図っている呉三津田高校。
進路検討会は、ベテランの指導ノウハウを若手へと引き継ぐ場となっている。

若手教師の感じる課題とやりがい
ベテラン教師のサポートで進学校の担任として成長


 前任校は、ほとんどの生徒が進学を希望するものの、大学進学者はクラスの約半数という中堅校でした。呉三津田高校のように、ほとんどの生徒が国公立大を志望する進学校での担任経験はありませんでした。それだけに、3年前に赴任して1学年担任を任されたときは少なからず不安を感じていました。
 忘れられないエピソードがあります。1年次夏の初めての保護者懇談会のときのことです。本校は県内有数の進学校だけあって、当然、保護者の学校への期待は非常に高く、進学校での指導経験の浅い私は、初めての保護者懇談会を前にプレッシャーを感じていました。そんな私を見て、先輩の先生方は懇談会に使用できる過去のデータを用意してくれたり、「保護者にはこんな部分を特にしっかりお伝えするといいですよ」などと懇切丁寧にアドバイスしてくださいました。
 本校は、1年次から副担任にベテラン教師を充てて、OJTの形で個別に指導をする体制を取っておりますが、これも私にはとても心強く感じました。日常的な声かけの仕方やタイミング、面談の視点などについてアドバイスをいただいたり、進路検討会のあとには、議題に上らなかった生徒の状況や併願校の可能性などについてマンツーマンでレクチャーしていただきました。
 志望校を決めかねている生徒には、直接『ここを受けなさい』と勧めるのではなく、生徒が自分の意思で決められるように、自然な形で導くべきであり、その方が志望校に対する意欲が強くなるということも、本校で学びました。



南場叔子

広島県立呉三津田高校

南場叔子

Nanba Toshiko
教職歴12年目。
同校に赴任して3年目。
3学年担任。
「生徒が自ら考えて行動できるように心がけています」


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