特集 高め合う担任の進路指導力

福岡県立東筑高校

◎2008年に創立110周年を迎える伝統校。「文武両道」「質実剛健」を校是として、21世紀の国際化社会をリードするに足る卓越した人材の育成を目指す。部活動も盛んで、野球部は甲子園大会春夏計7回出場。ボート部は07年度の国体にも出場した県内有数の強豪である

設立●高校:1898(明治31)年

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)●360名

07年度進路実績●国公立大には、北海道大4名、東京大3名、名古屋大2名、京都大11名、大阪大7名、九州大97名など287名が合格。私立大には、慶應義塾大、早稲田大、同志社大、立命館大、関西学院大、西南学院大など延べ406名が合格。

住所●北九州市八幡西区東筑1-1-1

TEL●093-691-0050

WEB PAGE●http://tochiku.
fku.ed.jp/


田代龍一

▲福岡県立東筑高校

田代龍一

Tashiro Ryuichi

教職歴26年目。同校に赴任して11年目。進路指導主事。「自ら進路を切り開いていける生徒を育成したい」

工藤宏敏

▲福岡県立東筑高校

工藤宏敏

Kudoh Hirotoshi

教職歴15年目。同校に赴任して9年目。3学年担任。「豊富な知識と大胆な行動力を持った生徒になってほしい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例2】

福岡県立東筑高校

進路シラバスを軸にした、組織的な進路指導を模索

「進路シラバス」を軸に、組織的な進路指導体制の構築に力を入れる東筑高校。
3か年の指導の流れを体系化することで、低学年次の進路指導の重要性を確認すると共に、更なる指導ノウハウのブラッシュアップを模索している。

若手教師の感じる課題とやりがい
自信を与えてくれた組織的な支援体制


 東筑高校に赴任して2年目の07年4月。1年生の担任を任されたとき、正直、私でよいのだろうかと悩みました。前任校は、就職者も含めた多様な進路実績を持つ学校で、進学校での経験はありませんでした。担当教科も保健体育で、教科指導でも受験に直結するノウハウを持っていなかったからです。
 そんな私にとって、ベテラン教師のバックアップをはじめとする組織的な支援体制はとても心強く感じました。本校では、成績が落ち込んでいる生徒に対しては、教科担当に依頼して個別に補習を行ってもらうこともあります。ベテラン教師が若手・中堅にアドバイスを与えるだけではなく、教科指導についても具体的にバックアップし、学力の底上げを図る体制が取られているのです。
 実は以前、私は三者面談の席上、子どもの成績が伸び悩んでいる保護者から「うちの子のクラスは見捨てられているのではないか」と言われたことがあります。私が保健体育の担当であることに加えて、たまたま私のクラスだけが他の1年生の教室とは別のフロアにあったためにそう感じたようなのです。
 「確かに、私は教科指導はできませんが、教科担当には、抜群のスキルを持った先生方についてもらっています」と言って、保護者に納得していただきました。組織的な支援体制があるからこそ、私も自信を持って答えることができました。ちなみに、その直後の学力テストで私のクラスは学年トップとなり、保護者にも安心してもらうことができました。



畑井雅明

福岡県立東筑高校

畑井雅明

Hatai Masaaki
教職歴9年目。
同校に赴任して2年目。
1学年担任。
「勉強とのメリハリをつけ、しっかりと遊べる生徒であってほしい」


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