特集 高め合う担任の進路指導力

みずの・けんじ

▲みずの・けんじ

 教職歴31年目。英語科。岡崎高校に22年間勤務。進路指導主事などを務める。全国有数の進学実績を上げると共に、組織的な進路指導体制を確立した。05年より現職。

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【インタビュー】・・・私を育てたあの時代

愛知県立安城南高校教頭 水野謙二

生徒を中心とした運命共同体の中で私は学んだ

教師が指導力を高めていく場は、生徒との日々の触れ合いの場にほかならない。
そして、そこには、見守り、引き上げてくれる先輩教師の存在があった。
岡崎高校で長年中心的な役割を担ってきた水野先生にお話をうかがった。

 岡崎高校に赴任したのは、30歳になったばかりのころでした。前任校で6年間勤務し、担任も二まわり経験しましたが、進学実績は岡崎高校とは全く異なります。自分はやっていけるのだろうかと不安もありました。
 赴任前の春休み、用事があって学校に行ったところ、1人の生徒が英語の質問があると、1冊の英語の読み物を持って職員室に来ました。ほかに英語科の先生がいらっしゃらなかったため私が対応することになったのですが、質問のレベルの高さに驚きました。物語の流れを自分なりに把握して、やっとの思いで答えながら、これは大変なところに来てしまったと思ったものです。あとになって岡崎高校では50ページくらいの英語の読み物を年間4、5冊読ませていると知り、更に驚きました。
 生徒の学力の高さ以上に衝撃的だったのは、教師の意識の高さでした。3月、私が着任する予定の2年生の担任団に「飲み会に来ませんか?」と誘われました。行くと、宴会そっちのけで「この生徒はどうすれば成績が上がるか」「この教科はこのままでは成績が悪くなる」など真剣に議論している。これはえらいところに来たぞ、と覚悟を決めたものです。
 岡崎高校ではたくさんの素晴らしい先生との出会いに恵まれましたが、中でも白井伸昂(のぶたか)先生は、私に教師の原点を教えてくださった先生です。白井先生は当時岡崎高校6年目で、私が赴任2年目で3年生の担任になったときの学年主任でした。


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