指導変革の軌跡 兵庫県立神崎高校
VIEW21[高校版] 新しい学校再生のパートナー
  PAGE 10/17 前ページ  次ページ

1コマ30分授業で生徒の集中力を高める

 生徒指導の徹底により、学校に落ち着きが見られ始めた04年度、同校は本格的な改革に乗り出した。この年を「改革元年」と位置づけ、抜本的なカリキュラム改革に着手。「ディスカバリーハイスクール」というキャッチコピーを冠し、改革に臨む姿勢を地域にアピールした。
 「生徒自身が自己を発見する」という改革を象徴する取り組みが、「ディスカバリーアワー」だ。多様な進路に対応するための選択科目群で、「福祉・教養」「木工クラフト」「健康スポーツ」「インターンシップ」などがある。地域の専門家から自然環境や伝統の技術を学んだり、ボランティア活動を通して福祉の実践力を身につけたりと、新しい自分を発見することが目的だ。2、3年次にそれぞれ週6時限分履修できる。授業では、例えば「福祉・教養」の「家庭看護福祉」の科目ならば、ホームヘルパー養成研修2級課程の取得を目指し、外部講師による講義、演習、実習が行われる。
 通常の授業も、大胆に変えた。午前中の授業の半分を、従来の50分から30分に短縮したのだ。「授業時間を短くすることで集中力を高め、同時に基礎基本を繰り返させ、基礎学力を定着させるのが狙いです」と、齋藤先生は話す。
 午前は10分間の休憩を挟みながら30分授業を3コマと50分授業を2コマ行い、午後は50分授業を2コマとした。30分授業の対象は主要5教科だ。50分授業の2コマ分を30分授業3コマ分として、不足する10分は午後にある50分授業に繰り入れて補充する仕組みだ。
 教務部長の高橋敬介先生は、「集中力が高まって学習効果が出てきたことで、生徒の自信につながりました。ただ、それ以上に大きかったのは、中学校へのPR効果です。勉強に苦手意識を持つ生徒にとっては、『この授業スタイルなら、自分にもできるかもしれない』という期待感につながっているようです」と話す。
写真

  PAGE 10/17 前ページ 次ページ