指導変革の軌跡 群馬県立藤岡中央高校定時制
VIEW21[高校版] 新しい進路意識向上のパートナー
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進路に関する質問を頻繁に投げかけ意識を向上させる

 授業やホームルームでは、生徒の進路意識を高めるため、意識的に将来のことについて問いかけるようにした。
 例えば、塚田先生の保健体育の授業ではこんな具合だ。取材日の授業は「高齢社会」がテーマだったが、教科書を読み進める合間に、授業の内容と絡めて、生徒に頻繁に将来にかかわる質問を投げかける。

塚田先生「高齢社会は社会に出ていくきみたちとも無関係ではないよ。Aさん、将来のことは決まった?」
生徒「勉強は嫌いだから就職かな」
塚田先生「就職といっても、世の中にはたくさんの仕事があるぞ。できることはいっぱいあるんだ。何をやりたいか考えてみたら?」
生徒「でも、うちって求人票が来るの?」
塚田先生「来ているよ。興味があったら僕からも担任の先生に言っておくから、相談してみなよ」
塚田先生「Aさんは介護に興味があるんだよな。専門学校もあるし、資格を取るために頑張ろうな。B君は大学に行くのか? それとも就職?」

 「提供した情報に生徒が興味を示したら、チャンスを逃さず一歩踏み込んで指導をしています」と塚田先生。そのため、授業での生徒の様子は、担任だけでなくすべての教師に伝え、情報を共有。さまざまなアプローチで指導できるようにした。
 「今まで関心を寄せてもらうことが少なかった生徒たちですから、教師が見ていてくれているというのは、大きな安心感となり、やる気につながります。生徒のやる気をキープするには、迅速なアプローチが必要。わざわざ会議を開いて情報交換をするのではなく、休憩時間などにこまめに話しています」(塚田先生)

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