特集 組織の中で伸ばす教科指導力

北海道旭川北高校

◎2006年度に英語科の募集を停止し、進学重視型単位制を導入。生徒個々に応じたきめ細かい指導を行う。07年度に文部科学省のSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)、並びに国語力向上モデル事業の指定を受け、言語力の育成・向上に力を入れる。

設立●高校:1940(昭和15)年

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)●240名

07年度進路実績●国公立大には、北海道大23名、北海道教育大26名、旭川医科大10名、帯広畜産大5名、東北大1名、札幌医科大2名など131名が合格。私立大には、中央大、明治大、早稲田大、同志社大など延べ141名が合格。

住所●北海道旭川市花咲町3丁目

TEL●0166-51-4621

WEB PAGE●http://www.asahikawa
kita.hokkaido-c.ed.jp/


松井徹朗

▲北海道旭川北高校

松井徹朗

Matsui Tetsurou

教職歴29年目。同校に赴任して13年目。英語科主任。「50分が短く感じるような授業を日々目指しています」

田中嘉寛

▲北海道旭川北高校

田中嘉寛

Tanaka Yoshihiro

教職歴20年目。同校に赴任して8年目。1学年担任。「生徒と共に汗をかいて、進路実現のために頑張りたい」

植松裕見子

▲北海道旭川北高校

植松裕見子

Uematsu Yumiko

教職歴22年目。同校に赴任して11年目。1学年副担任。「新しいことにチ ャレンジして自分を高めていきたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例1:英語】

北海道旭川北高校

授業の標準化を推進しコミュニカティブな英語指導へ転換

「使える英語」の習得を重視し、コミュニカティブな活動を授業で行う学校が増えているが、教師個々の努力に頼るケースが見られる。旭川北高校は、国立教育政策研究所の事業指定を機に英語科全体で連携し、活動重視の指導に取り組む。

訳読中心から活動重視の授業へ

 旭川北高校は国立教育政策研究所の「教育課程研究指定校事業(外国語)」の指定を受けたことを機に、2005年度に英語の授業を訳読中心から活動重視へと転換した。授業は1クラス40名に対し、日本人教師1名で指導、訳読は行わずにオールイングリッシュとする、通常の教科書を使う、コミュニケーション活動を取り入れるという内容だ。
 道内で有数の進学校である同校ではそれまで入試対策中心に指導してきたが、研究指定により指導に対する認識を180度転換することが求められた。英語科主任の松井徹朗先生は、「訳読中心の授業が当たり前と思っていた私たちにとって、オールイングリッシュの授業は別世界。個々の教師がそれまでの指導をリセットするところから始めなければなりませんでした」と当時を振り返る。
 研究指定の重みが教師の背中を押した形ではあったが、一方で従来の授業に対して違和感を抱いていたのも事実だ。1学年副担任の植松裕見子先生は、「授業中に訳を書かせるのは時間がかかりますし、それ自体は英語力の向上に結び付くものではりません。訳読に代わる指導法は何か、ということは常に考えていました」と話す。潜在的な指導改善の意識が、訳読中心の授業からの脱却をあと押ししたのである。


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