旭川北高校は国立教育政策研究所の「教育課程研究指定校事業(外国語)」の指定を受けたことを機に、2005年度に英語の授業を訳読中心から活動重視へと転換した。授業は1クラス40名に対し、日本人教師1名で指導、訳読は行わずにオールイングリッシュとする、通常の教科書を使う、コミュニケーション活動を取り入れるという内容だ。
道内で有数の進学校である同校ではそれまで入試対策中心に指導してきたが、研究指定により指導に対する認識を180度転換することが求められた。英語科主任の松井徹朗先生は、「訳読中心の授業が当たり前と思っていた私たちにとって、オールイングリッシュの授業は別世界。個々の教師がそれまでの指導をリセットするところから始めなければなりませんでした」と当時を振り返る。
研究指定の重みが教師の背中を押した形ではあったが、一方で従来の授業に対して違和感を抱いていたのも事実だ。1学年副担任の植松裕見子先生は、「授業中に訳を書かせるのは時間がかかりますし、それ自体は英語力の向上に結び付くものではりません。訳読に代わる指導法は何か、ということは常に考えていました」と話す。潜在的な指導改善の意識が、訳読中心の授業からの脱却をあと押ししたのである。 |