特集 組織の中で伸ばす教科指導力
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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教師の目線合わせは指導用マニュアルで

 授業では、教師間で指導内容や方法にぶれが生じないよう「TeachingProcedure(以下Procedure)」(図1)を活用する。単元ごとに事前準備、授業手順、活動場面といった、授業を行う上で必要な情報を網羅したマニュアルで、松井先生が中心となって作成。毎年、始業式前には全体研修として、英語教師9名、ALT2名の計11名が教師役・生徒役に分かれて模擬授業を行い、指導法をブラッシュアップしている。植松先生は、オールイングリッシュの授業を導入したばかりのころを次のように振り返る。

図1

 「事前に『Procedure』の内容を暗記し、どの場面でどのような質問をするのか、どのタイミングで活動に取り組ませるのかなど、シミュレーションをして授業に臨んでいました」
 定期考査の内容も大きく変わった。以前は当該単元のテキストを載せて「下線部を訳せ」「適切な前置詞を補え」という設問だったが、今は知識やスキルの活用を重視した設問になった。例えば、07年度後期中間考査では、教科書のテキストを示し、続きを英文で書かせる設問をした。その際「指定したイディオムを使う」「単元にかかわる文法(この場合は関係代名詞)を○か所以上使う」といった指示を出し、身につけさせたい力が何であるかを明確にした。
 採点では、間違いをすべて指摘するのではなく、当該単元で扱った部分のみを厳密にチェックしている。そのため、定期考査で何を評価するのか、必ず試験前に教師間で目線を合わせている。
 「スペルや前置詞のミスまで指摘していると、この試験で求められている力が何であるのか、生徒に見えにくくなってしまいます。特に1年次ではできるだけ多く英文を書いた生徒を評価し、英語に対する前向きな姿勢を育てるようにしています」(松井先生)


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