特集 組織の中で伸ばす教科指導力
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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特集
組織の中で伸ばす教科指導力

教科の指導力を高めていくことは、教師のだれもが抱えている課題である。
ところが高校現場では、教科の指導力を組織の中で高めていくことは難しいという声もよく聞かれる。
教師同士で教科の指導力を磨き、よりよい指導にするためには、どのような方法があるのだろうか。
事例を基に方策を考える。

教科指導の課題と方策

教師個々の努力だけではなく、組織として指導力を高めていくためにはどうすればよいのか。
データと教師の声から課題を整理する。

1.データで見る校内授業研究の実態

表

高校では小・中学校と比べて
校内授業研究会の実施回数が少ない

◎校内授業研究会の年間実施回数は、小学校では「3回」と「4回以上」で8割を超えている。ところが、高校では「1回」が6割以上という結果となっている。高校では組織としての授業研究の機会が少ないことがうかがえる。

出典 兵庫県立教育研修所「授業改善リーダー育成のための研修の在り方に関する研究(中間報告)」
調査対象◎2005年度当所で実施した研修講座(8講座)の受講者(小学校136名、中学校71名、高校268名)
調査期間◎2005年8~12月
調査方法◎質問紙法
*調査対象が限られたデータであり、あくまで参考データとして掲載

2.組織としての研鑽(さん)の場が少ない理由

教師の声より

「教科指導は教師個人の領域という意識が強いため、
授業やノウハウがオープンにならず、互いに高め合うという風土がない」
「教科指導の目標や評価基準を統一していないため、担当が代わるたびに場当たり的に進度や内容が決められる」
「教科指導の内容や方法に個人差があり、目線合わせが非常に困難である」
「教師が多忙化する中、教師個人の研鑽に委ねられる教科指導を議題とする話し合いの機会はほとんどない」

*全国の「VIEW21」モニター教師(約100名)のアンケートより抜粋。

組織として教科の指導力をどう向上させるか
〈閉鎖性の打破〉

3.3校の事例が示す課題解決のヒント

研究指定等を受け
意図的に
環境を変える

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P.2「旭川北高校」


校内で共通した
基準をつくり、
指導を標準化する

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P.2「旭川北高校」
P.8「武生高校」

学年を越えて
授業を受け持ち、
3か年の指導の
見通しを持つ

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P.8「武生高校」

作問という具体的な
協同作業を通して、
議論を
活性化する

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P.13「筑紫丘高校」


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