特集 組織の中で伸ばす教科指導力
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「授業時間の7割が活動」が理想

 「Supplementary Handout」に示されたイディオムを声に出して読み、隣の席の生徒とペアワークを行う。今回は「Why」で始まる質問に対して、本文で使われている「inorder to(~するために)」を使って答える練習だ。生徒がペアになって質問し合う。
 「授業時間の7割が活動というのが理想です。授業では毎回、2、3回は活動の時間を設けるようにしています」(松井先生)
 ペアワークの次は、いよいよ教科書の本文に入る。今回は「エコカー」がテーマだ。授業では双方向での活動を深めるために、松井先生は英字新聞も用意した。ペンギンが氷山から海に飛び込む写真を示すことなどによって、地球温暖化の背景知識を与え、生徒の関心を引きつけていった。
 「教科書の質も授業を成立させる重要なポイントの一つ。教師が問題提起をしたり、生徒が議論したりしやすいテーマを設定することが重要です」(松井先生)
 「If it gets warm in winter,what will happen to your life in Hokkaido?」
 最後に松井先生がこう問いかけ、再びペアワークを行った。そして、指名された1組が発表して、授業は終わった。

写真
写真 授業では、隣同士、前後とペアを変えながら、頻繁にペアワークを行う。生徒が英語を発話する機会をなるべく多く設け、英語を話すことに抵抗感をなくすためだ。

 授業では理論として定着させるのではなく、実際に使うことで定着を促す。そうすることで、本文の内容から更に踏み込んで、自己表現させることにもつながっていく。
 「こうしたスタイルの授業によって、生徒との距離が縮まりました」と話す松井先生。英語によるコミュニケーションを通して教師と生徒が心を通わせる。それこそが、コミュニカティブな授業の最大の魅力だろう。


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