特集 組織の中で伸ばす教科指導力

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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生徒の本気をいかに引き出すかが鍵

 授業の「タテ持ち」を背景として、教師の授業改善の意識は非常に高い。例えば、西先生が授業改善の3本柱としているのは、次の通りだ。
(1)現状把握
(2)目標づくり
(3)指導方法の模索
 (1)に関しては、生徒から直に話を聞くことやテストに加えて、西先生は生徒へのアンケートを活用する。担任のクラスでも数学の授業でも、「最近生徒の元気がない」などちょっとした変化を感じたらアンケートを実施。生徒の声を集め、その理由を探る。指導改善の根拠としても重要なデータとしている。
 (2)に関しては、「入試で要求される学力を身につけさせることと、学問としての数学の面白さ、奥深さを伝えることは矛盾しません。大学入試は高校教育へのメッセージです。問題研究を積み重ねる中で、生徒に身につけさせる力がより明確になります」と話す。
 (3)に関しては、「教材研究、授業見学、他教科の先生も含めた日常的な指導法の情報交換など、あらゆる機会が指導力の向上につながると考えています」と話す。実際、西先生は06年度に笹岡先生の授業を生徒になって受けたり、ほかの先生の授業を見学したりしている。
 「私たちは生徒の本気をいかに引き出すかについて常に考えています。生徒の『本気』に勝るものはないからです。そのため、魅力ある目標や実現までの方法を生徒と共有することが大切です。今後も生徒に真の実力をつけるにはどうしたらよいのか模索し続けていきたいと思います」

図1

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