校内模試と定期考査には、できるだけ記述式問題を取り入れる。センター試験が近い3年次後半には選択式が増えるが、1・2年次の試験では大半が記述式。1年次の最初の定期考査では、問題すべてを記述式にしたこともある。「入学時から記述式が当たり前という意識を持たせることが大切」と和田先生は強調する。同校が記述式にこだわるのは、「書くこと」「表現すること」こそがコミュニケーションの土台になると考えるからだ。
「選択式問題にばかり取り組んでいると『どこにひっかけがあるのか』ということに注意が向いてしまい、文章をしっかり読むことができなくなってしまうと思います。記述によって文章力や表現力が高まり、結果的に難関大の入試に対応できる力につながっていくのです」(佐々木先生)
教師全員を対象に、難関大に対応できる指導力の向上にも力を入れる。新谷先生は次のように説明する。
「本校の生徒は真面目で素直ですが、少し受け身のところもあり、志望校選びも内容ではなく、『先輩が行っているから』『自宅から通えるから』といった理由で決めることが少なくありません。生徒の視野を広げ、より高い目標に挑戦させることは、進路指導上の重要な課題でした」
多様な進路を実現させるためには、教師の指導力向上が欠かせない。同校には九州大入試に対応したノウハウがあるものの、東京大や京都大入試のノウハウは必ずしも十分ではなかった。組織的に指導力を高めていくための工夫が必要だった。
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