特集 組織の中で伸ばす教科指導力
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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教師自らの作問と国語科全体の
検討で一問一問を練り上げる

一度は触れてほしい名文から出題

 筑紫丘高校は指導力向上策の一つとして、校内模試を自校で作成している。具体的な題材を例示しながら、その手順を見てみる。
 同校の校内模試は年3回(1年次は年2回、2年次は年3回の実力考査)行われる。大問の構成はセンター試験と同じ、評論文、小説、古文、漢文の順で各50点の200点満点、文系・理系で同じ問題としている。設問レベルは九州大入試を目安とし、一部、東京大・京都大にも対応する問題も出す。定期考査と同様に、記述式問題を重視しているが、回を重ねるごとに選択式問題を増やし、センター試験にも対応できる力を身につけさせる。
 作問は3年次担当の4名の教師が、4つの大問を分担する。佐々木先生は「作問に際して、市販の問題集からの切り貼りは絶対にしないということ以外、特別なルールはありません。教師自身が自分の目で素材文を選び、設問を作ることが指導力の向上につながります」と強調する。
 素材文を選ぶポイントは、「一度は読んでおいてほしい名文」(和田先生)。受験に対応する力を身につけさせるだけでなく、生徒の思考力を豊かにする名作や時代を代表する考え方に触れさせることも、模試の重要な目的だからだ。あとは、ほかの回とのバランスを考え、前回が言語論であれば、今回は芸術論というような方針に沿って選ぶ。

※実施月は、1学年が9、1月、2学年が4、9、1月、3学年が4、9、11月。

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