指導変革の軌跡 栃木県・私立文星芸術大学附属高校 英進科
VIEW21[高校版] 新しい学校再生のパートナー
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生徒の内省が「真面目がカッコいい」雰囲気をつくる

 進路学習を通して「学ぶことの意味」を見いだし、学力向上に結び付けている生徒は多い。ある生徒は「勉強するのは『自由』を得るため」という。理想を実現するためには、学力を身につけて自分を高めなければならない。それにより、社会で縦横に活躍できる「自由」を手にすることができるというのだ。
 またある生徒は「勉強はアイデンティティを確立するために不可欠」と喝破した。「中学時代は周りが勉強しろと言うだけで何のためにするのかわからず、全くやる気が起きなかった。1年生のときに進路学習で先輩の受験体験記を読み、勉強すること自体に意味があることに気づいた。目標とする大学も職業もまだ決まっていなくても、今は勉強に打ち込める」と話す。この生徒は入学時の偏差値は60だったが、2年生後半には79まで伸びたのだ。
 生徒一人ひとりの内省が「真面目に勉強に取り組むことが当たり前」という雰囲気を醸し出している。1年生のある生徒は「中学時代は1人で真面目に勉強しているのが格好悪いという雰囲気があって、自分をなかなか出せなかった。今はそんな目で見られることもなく、学習に打ち込める」と話す。「真面目がカッコいい世界」(牧島先生)の中で、多くの生徒が心の底に眠っていた探究心を開花させているのである。
図2

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