指導変革の軌跡 栃木県・私立文星芸術大学附属高校 英進科
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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書かせる進路指導で学ぶ意欲を高める

 三つのポイントのうち、特に同校が力を入れているのが、自ら学ぶ意欲を引き出すための進路学習だ。ベネッセの進路学習教材である「進路サポート」をテキストとして、3年間一貫したプログラムを構築。「総合的な学習の時間」を使って、牧島先生と担任とのチーム・ティーチングにより、体系的な進路学習を展開する(図1)。

図1
※上記の資料の全文がダウンロードできます
■進路学習計画 PDFダウンロード(374KB)

 「モットーは『進路指導は生き方指導』です。学習意欲の源泉は、生徒一人ひとりが目標・夢を持つこと。進路学習を通して自分の適性や将来の展望が見えてくれば、自ずと日々の課題も明らかになります。それが学習意欲を引き出し、学力の向上が更に大きな夢へとつながるのです」と牧島先生は強調する。
 指導の特徴は「書かせる指導」だ。「自分探し」「職業研究」「社会について」などテーマに応じて、毎回、30分400字のレポートを書かせる。
 「書くことは考えること。書くことで漠然としていた自分の思いや課題などが明確になり、自分がなすべきことが見えてきます」(牧島先生)
 書く指導の際には、教師は二つのことに留意している。一つは「書くことは考えること」を繰り返し生徒に伝え、書くことの重要性を意識させることだ。1年次の1回目の授業から、何度も口頭で伝えたり黒板に書いたりして、生徒の意識にすり込む。
 二つめは、生徒が書いたものを、教師はしっかり受け止めているというサインを送ること。生徒のレポートを読んでいる教師の姿を見せたり、書いた本人に「みんなに紹介していいか」と尋ねたりして、教師が生徒一人ひとりに目を配っていることを肌で感じさせる。きちんと読んでくれていると生徒が意識することによって、どの学力層の生徒も所定の時間、文字数でレポートを書けるようになるという。
 「『学力が低い生徒は書くのが苦手』というのは、教師自身が生徒の力に限界を設けてしまうことからくる錯覚です。生徒は、初めは書くことに抵抗を感じても、その重要性を理解し、自分が書いたものが教師に受け止められているとわかれば、教師が指示しなくても書けるようになります。書くことで、進路学習に更に真剣に取り組み、将来の展望や勉強することの意味などについて感じ取れるようになるのです」(牧島先生)


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