指導変革の軌跡 石川県立七尾東雲高校「進路指導の構築」
石川県立七尾東雲高校

石川県立七尾東雲高校

2004年の開校以来、生徒全員にコンピュータ活用技術の習得や、1週間に渡るインターンシップ、3年次の卒論提出を課すなど、ユニークな教育活動を展開している。2008年度に演劇科を新設する予定。

設立●2004(平成16)年

形態●全日制/総合学科、テクニカル工学科、デジタル工学科/共学

生徒数(1学年)●約200名

07年度進路実績●国公立大は石川県立大、富山大、新潟大、京都教育大、名古屋工業大など、私立大は金沢工業大、大阪産業大などに合格。大学51名、短大19名、専門学校等53名、大学校・短期大学校5名、就職75名。

住所●石川県七尾市下町戊部12-1

TEL●0767-57-1411

WEB PAGE●http://www.hokuriku.
ne.jp/nanaoagr/sinonome/


中村長嗣

▲石川県立七尾東雲高校校長

中村長嗣

Nakamura Nagatsugu

教職歴34年目。同校に赴任して1年目。「素直で真面目な人間が社会に出ても伸びる。そういう生徒を育てたい」」

福島則明

▲石川県立七尾東雲高校教頭

福島則明

Fukushima Noriyuki

教職歴29年目。同校に赴任して1年目。「学校は『教師の意識が変われば、生徒も変わる』が私の信念です」

菅純誓

▲石川県立七尾東雲高校

菅純誓

Suga Junsei

教職歴19年目。同校に赴任して4年目。進路指導主事。「生徒には『筋を通して生きなさい』と常に話しています」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導の構築のパートナー
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指導変革の軌跡95


石川県立七尾東雲(ななおしののめ)高校「進路指導の構築」

進学と就職を見据えたゼロからの進路体系づくり

● 実践のポイント
他校の取り組みを参考に試行錯誤を重ね、自校らしさを探し出す
進路意識を高めるため、生徒の個別指導を充実させ、進路実現を支援する
生徒の進路希望はもちろん、家庭事情などの情報を教師間で共有化

トライ&エラーで進路指導の在り方を模索

  2004年4月、石川県七尾市に七尾東雲高校という新しい高校が誕生した。県の高校再編計画によって七尾工業高校、七尾商業高校、七尾農業高校の三つの実業高校の閉校が決まり、それに代わる高校として新設されたのである。
 学科は総合学科とテクニカル工学科、デジタル工学科の3学科。初年度は教師13名、1年生192名という小規模でのスタートだった。
 その13名の教師のうちの1名に、菅純誓(じゅんせい)先生がいた。菅先生は着任早々、進路指導主事に任じられた。いわば同校の進路指導の体系を、土台から築く役割を担うことになったのである。
 「これは大変なことになったぞ」と、菅先生はその責任の重さをひしひしと感じたという。
 菅先生に白羽の矢が立ったのは、長年進路畑を歩んできたことが大きかったのだろう。しかしこれまで勤務してきた進学校と、同校のように卒業後の生徒の進路が多様であることが想定される高校とでは、同じ進路指導でも勝手が違う。しかも新設校だから、過去の蓄積もなければ、ノウハウを伝承してくれる先輩教師もいなかった。「まさにゼロからの出発でした」と菅先生は当時を振り返る。
 「前任校では進学指導が中心でしたが、本校では就職指導にも力を入れなくてはなりません。学校経営計画では、生徒の職業意識を醸成させるために、インターンシップを実施することが掲げられていました。ところが、私自身はインターンシップの指導をしたことがありません。ほかの取り組みにしても似たり寄ったりです。そこでまず、県内にあるすべての総合学科の進路指導についての資料を取り寄せました。そして、閉校になる3校の取り組みを参考にしながら、できそうなものを取り入れる、あるいは真似るというところから始めました。そのようにトライ&エラーを重ねながら、本校らしい進路指導の在り方を模索することになったのです」


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