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生徒の進路希望や学力を教師間で共有化
個別指導の充実という面でもう一つ見逃せないのが、生徒の進路希望に関する検討会の実施である。
1、2学年は年度末、3学年は年度当初に開催。担任と副担任、進路指導主事、校長、教頭が参加して行われる。検討会のときに用いられるデータは、生徒の進路希望はもとより、評定平均値や模試の成績、進路実現のために必要な教科や資格、日常生活の様子や家庭事情など多岐に渡っている(
図1
)。
図1:進路志望検討会の資料
※「進路マップ 実力判定テスト」は、3年生の進路決定のためのテスト。B3やC2+等の表記は「学習到達ゾーン」といい、学力の到達基準を示している。
※上記の加工可能な資料がダウンロードできます
■進路指導検討会の資料
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(25KB)
こうしたデータを見ながら、一人ひとりの生徒に対して、進路実現に向けて具体的にどのような手立てを講じていけばよいかを、学年団全体で検討する。普通科高校であれば、担任が1人で自分のクラスの生徒の進路希望や学習状況、家庭事情を把握することも可能だが、同校の場合、学年が上がるほどクラスを分割した少人数授業が増え、総合学科の3年生などは、クラス全員がそろうのはロングホームルームしかないという状況だったからだ。
「そのため、1学年2クラスある工業科、3クラスある総合学科の担任同士の横のつながりが不可欠となります。06年の春、1期生を卒業させた総合学科の3名の担任などは、検討会などを通じて情報を共有し、すべての生徒の進路希望や学習状況や家庭事情を把握していました。ですから別のクラスの生徒でも、本気になって叱ったり褒めたりすることができました。いわば、総合学科120名の生徒を3名の教師が受け持っていたのです」(菅先生)
進路希望や進路意識、学力や学習内容、生活態度、家庭事情等において多様な生徒を抱えている中では、一人ひとりの生徒に対して講ずべき手立てがそれぞれ異なってくる。そうした状況に対して同校は、担任団がタッグを組むことで、対応しようとしているわけだ。
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