中学校の現場から 生徒指導


神奈川県 横浜市立六浦中学校

横浜市から2002年に「人権センター校」4校のうちの1校として指定され、「だれもが、安心して、豊かに」生活できる学校づくりを推進する。

生徒数 ● 472名
学級数 ● 13学級(うち特別支援学級1)

WEB PAGE●http://www.edu.city.
yokohama.jp/sch/jhs/mutsuura/


※同校の取り組みは『VIEW21』中学版2008年1月号(指導変革の軌跡)で詳しく紹介しています。

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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中学校の現場から

生徒の履歴をつかみ、今の指導につなげる

生徒指導

神奈川県 横浜市立六浦(むつうら)中学校

「特別支援チーム」を結成し教師個人の力に頼らぬ生徒指導を実施

 生徒の抱える課題を解決するためには、生徒個々の状況に合わせて、きめ細かく対応することが理想である。しかし、それでは担任の負担があまりにも大きくなる。全体指導とは別に、個別指導をどのように行っていくかは多くの学校が抱える課題だ。
 神奈川県横浜市立六浦中学校は、生徒指導が難しい学校であった経験から、担任に任せきりにせず、ほかの教師がサポートしながら生徒に対応していく体制を整えた。校長、副校長、各学年主任、スクールカウンセラーらで「特別支援チーム」を結成し、担任を組織として支えようという取り組みだ。教師の異動があっても、同じような指導を続けられる仕組みを目指している。

「特別支援チーム」を結成し教師個人の力に頼らぬ生徒指導を実施

 六浦中学校は、課題を抱える生徒のいる生徒指導の難しい学校だった。2005年に間邉光夫校長が赴任した当時、授業中にもかかわらず、保健室は生徒でいっぱいになることがあった。生徒の声に耳を傾けようと、課題がある生徒と教師が膝を交えての対話を積み重ねていった。その結果、生徒と教師のそれぞれの思いが少しずつ交わるようになり、学校は次第に落ち着きを取り戻していった。
 課題のある生徒だけでなく、一般の生徒に対してもきめ細かい指導体制を整えていった。教育相談は4月、9月、1月と年3回実施し、うち2回は生徒が相談する教師を自由に選べるようにしていた。生徒はあらかじめ相談事項を記入しておいた「相談カード」を、希望する教師に提出する仕組みだ。
 更に、不登校の生徒や不適応と思われる生徒をよりきめ細かく支援するために、生徒指導専任教師の提案を受けて、06年4月に「特別支援チーム」を結成した。校長と副校長、生徒指導専任教師、特別支援教育コーディネーター(※1)、各学年主任、スクールカウンセラーで構成する。
 「担任1人にすべてを背負わせるのではなく、学校全体で情報を共有し、問題に向き合っていくという、担任が安心して指導できる体制を目指しました」(間邉校長)
 5月中旬、まず実態の把握から始めた。担任は特別な生徒指導やケアが必要な生徒がどの程度いるのかを調べ、課題を抱えている生徒について「支援シート」()を作成した。1年生については、校区内四つの小学校に毎年ヒアリング調査を実施しているため、生徒が入学前に通っていた小学校からの結果を記入した。

図

 06年度は、個別支援を必要とする生徒36人分(3学年合計)のシートが集まった。特別支援チームは、これら一人ひとりについて時間をかけて検討。担任だけで対応が可能と判断された場合を除いた24人の生徒を支援対象とし、具体的な支援方針を相談した。

※1 横浜市が市内各校に配置している、窓口の役割となる担当者。特別な教育ニーズを持つ子ども や保護者と学校の調整や連絡を行う。


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