特集 生徒の未来、教師の役割
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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進む少子化に比べて遅れる高校の統廃合

 少子化の進行も、教育環境に大きな変化をもたらしています。高校の生徒数は、ピークだった89年度の564万人から07年度の340万人へと、224万人も減っています。一方、高校自体の数は5500校強から5300校強と、わずかな減少にとどまっています(図2)。生徒数の減少に見合うだけの学校の統廃合が進んでいない現状を示しているのです。

図2

 生徒の減少に対して、多くの都道府県はクラス数の削減で対応してきました。その結果、全国の高校は軒並み小規模校と化してしまいました。これは財政面だけでなく、生徒の教育・学習環境の面でも問題です。小規模校化が進むと、選択科目の数が限られる、部活動の種類も限定されるなど、生徒の選択肢の幅が狭まります。教師にとっても、1人の教師が複数の科目、複数の学年を担当する、あるいは専門以外の科目を教えなければならないなど、さまざまな弊害が出てきます。
 高校を適正規模にすることは、教育環境の基本的な条件と言えます。ですから、自校の統廃合については、生徒の教育環境として適正かどうかという観点からも考えることが重要なのです。


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