特集 生徒の未来、教師の役割
工藤文三

工藤文三

Kudo Bunzo
公立高校教諭を務めた後、国立教育研究所(現・国立教育政策研究所)の研究官に就任。 教科教育開発研究室長等を経て、2005年から現職。

*プロフィールは取材時(08年3月)のものです

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【新学習指導要領のポイント】

教育課程の「共通性」が高まり「活用」を重視した指導に

国立教育政策研究所 初等中等教育研究部長 工藤文三 Kudo Bunzo

2013年度に実施が予定される高校の新学習指導要領は、現行と比較してどのように変わるのか、留意すべきポイントは何か。
国立教育政策研究所初等中等教育研究部の工藤文三部長にうかがった。

新学習指導要領は学力の重要な3要素を反映

 2011年度の小学校を皮切りに全面実施される新学習指導要領は、教育基本法と学校教育法の改正を反映したものになります。この中で、学力の重要な要素を、(1)基礎的・基本的な知識・技術の習得、(2)知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等、(3)学習意欲、と明確に規定し、新学習指導要領もこれらの学力観・学習指導観を踏まえた内容になっています。
 更に、高校の新学習指導要領は小・中学校の新学習指導要領の影響を受けています。特に積み上げ教科である数学と理科では、小・中・高と系統性の高い学習内容になります。中学校の学習内容を検証し、中高の連携を改めて考える必要があるでしょう。
 小・中学校では、「習得・活用・探究」を重視した指導に変化していきます。高校でも、小・中学校で育んできたこれらの力を更にどのように伸ばしていくのかが、「生きる力」を育むために重要になるのではないでしょうか。


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