特集 生徒の未来、教師の役割
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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教育評価を重視した指導の検証・改善を

 「個に応じた指導」を行うためには、生徒一人ひとりの学力をきっちり把握し、それを日々の授業に生かす「教育評価」が重要です。これには次の三つの機能があるとされています。
 まず「診断的評価」は、学習開始時に、その学習の前提となる学力や生活経験の実態を把握するために行われるものです。そこで得られた情報は、学習の目標設定や指導計画作成にフィードバックされます。
 次に「形成的評価」は、授業が狙い通りに展開しているかどうかを確かめるために行われるものです。これは、指導計画や学習活動の改善・修正に役立てるものです。ポイントとなるところやつまずきやすいところで行うもので、生徒の成績づけには使われません。
 そして「総括的評価」は、内容の区切りや学期末・学年末などに実施するもので、この情報に基づいて成績がつけられます。同時に、指導上の反省を行うためにフィードバックされます。
 多くの高校では、教師の努力によって授業が工夫され改善されていますが、「評価」という点ではまだまだ成績をつけることに終始しているように思われます。評価は、生徒の成績づけという点のみならず、教師自らの指導に対しても行われなければなりません。そして、それは生徒一人ひとりの状況に応じて実施されるべきものです。「応病施薬」という言葉があります。難しいことですが、生徒一人ひとりに対して「指導と評価の一体化」を図ることが大切であると思います。


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