2008年1月に公表された中教審の答申は、SIを考える上で重要な示唆を与えています。特に私が重要であると思うのは、学力の重要な要素として三点を明記したことです。それは、「基礎的・基本的な知識・技能の習得」「知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等」「学習意欲」の三つです。当たり前のことばかりですが、それだけに今、学校・教師に原点回帰が求められているとも思うのです。
この十数年間、全国の高校ではさまざまな改革が行われてきました。しかし、一部には改革が枠組みの変更にとどまっていたこともあったように思われます。教師や生徒の意識を変えるために、枠組みを変えることは重要ですが、枠組みができたことだけに満足し、本来の理念を忘れてしまっては意味がありません。
本校でも、時間の経過と共に、何のためにやっていることなのかが希薄になって、形だけを踏襲している部分も目立ってきました。何のために取り組むのか、ということを学校全体で共有することが大切です。
その点からも、先に挙げた学力の三つの重要な要素は、教育の「不易」として、どの学校にも共通する教育活動の原点であると考えます。 |