生徒を表すエピソードとしてよく見られたのは、失敗・挫折をしたときに生徒が立ち直れなくなったという内容だ。そうした生徒の姿は「少子化の中の幸せすぎる子どもたち」と表現した福島県A高校の先生の言葉に集約されると思う。
「今年、一つの科目のつまずきから、すべての教科の意欲が低下していった生徒を見ました。また、中学時代まで優秀で『できない』という経験をしていないので、ちょっとできないことがあると激しく落ち込む生徒をよく見かけるようになりました。
進学校の場合、難しい高校受験を乗り越えた達成感から、生徒は入学後には目的を失いがちです。ところが授業についていこうと努力はしているので、その問題が表に出てこない。生徒は素直ですから、『授業や進路指導についていくこと』自体が目標になってしまっているのです。 |