指導変革の軌跡 三重県立川越高校「自立した学習者を育てる」
VIEW21[高校版] 新しい自立した学習者を育てるのパートナー
  PAGE 3/15 前ページ  次ページ

参加型の総合学習により生徒の積極性を引き出す

 「生徒が変わった」と悲観するだけでは、現状打破には結び付かない。同校は、07年度に「総合的な学習の時間」で行っていた進路学習中心のカリキュラムを見直し、ディスカッションや課題解決型学習など生徒参加型キャリア教育にシフトした。
 「今の生徒はプレゼンテーションなど発信型の課題に対して抵抗感がなく、上手に行います。生徒参加の取り組みをきっかけに、積極性を引き出せればと考えました」と森本先生は話す。

図1

 特に力を入れているのは、課題解決型学習だ(図1)。グループごとにテーマを決め、調査、プレゼンテーションを行う。以前の進路学習は、志望大の受験科目や個別学力試験の配点比率など、受験に特化した内容だったが、07年度からはキャリア教育の視点を取り入れ、生徒の自由な発想を大切にするテーマに切り替えた。教師としては、いかに生徒にとって身近で、かつ興味を持つテーマを選ぶかが腕の見せ所だ。例えば、07年度の1年生では、「川越市役所」という架空の職場を設定し、「健康課」の職員として少子高齢化対策を考えさせた。森本先生は「生徒の目を社会に向けて開かせ、進路を考える足がかりにしてもらうことがねらい。今後は、自ら課題を見つけ解決するゼミ形式の個人研究に挑戦させたい」と、展望を述べる。


  PAGE 3/15 前ページ 次ページ