指導変革の軌跡 長崎県立猶興館(ゆうこうかん)高校
VIEW21[高校版] 新しい学校再生のパートナー
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入試でアピールできる活動を1、2年次で取り入れる

 推薦入試のアピール材料となる活動は、1、2年次で積極的に取り組むよう指導。資格試験の受検、ボランティア活動や各種コンクールへの参加、NIE(新聞を教材とした学習活動)などの活用を奨励している。
 理数科主任の西川周二先生は、「真のねらいは、生徒の学習意欲を向上させること。良い成果が出せれば、生徒の学習に対するモチベーションにつながりますし、それは結果として推薦入試対策にもなります」と話す。
 取り組みの成果は順調に表れている。推薦入試指導を組織化した初年度の生徒が受験した07年度入試の国公立大合格者は過去最高の74名を記録(推薦入試合格者33名)。08年度入試でも、同じく74名が国公立大に合格した(推薦入試合格者44名)。
 進学実績の向上は、地域住民からの評価を急速に高めている。入試担当として保護者や中学教師に接する機会の多い満行先生は、「『猶興館は生徒をしっかり指導してくれている』と言われることが増えました。かつては市外の高校に進学していた成績上位層の入学者が増えています」と、手応えを感じている。
 今後の課題は、個々の教師の更なる指導力の向上だ。「推薦入試指導に関しては、入試の成功・失敗の原因を共有する場をつくることも必要だと考えています。また、推薦入試だけでなく、一般入試に合格できる総合的な学力をつけさせるために、指導力の更なる強化を図っていきたいです」と、山崎先生は意欲的だ。
 校内に一体感を生み出し、進学実績の向上を実現した猶興館高校。その成果を支えるのは、受験という機会を生かし、生徒の人間的な成長を促そうとする教師の熱い思いにほかならない。

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