指導変革の軌跡 山形県立新庄北高校
山形県立新庄北高校

山形県立新庄北高校

◎2008年に創立109年目を迎えた伝統校。「誠心誠意・質素簡約・勤勉力行」を校訓とし、知・徳・体に調和のとれた豊かな人間性を育てる。生徒の大半が大学進学を志望。部活動はスキー部、吹奏楽部が全国大会で入賞している。駅前のクリーンアップ活動、地域文化行事などのボランティアも盛ん。

設立●1900(明治33)年

形態●全日制・定時制/普通科/共学

生徒数(1学年)●約200名

07年度進路実績●国公立大は、北海道教育大、東北大、秋田大、山形大、埼玉大、高崎経済大、新潟大、京都大などに98名が合格。私立大には、東北学院大、青山学院大、慶應義塾大、日本大、早稲田大などに延べ155名が合格。

住所●996-0061 山形県新庄市大字飛田字備前川61

TEL●0233-22-6023

WEB PAGE●http://www.
shinjokita-h.ed.jp/


VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡107


山形県立新庄北高校「3年間を見通した初期指導」

1年生からの年2回の効果検証が
早めの軌道修正に結び付いた

● 実践のポイント
春秋の年2回、学力と学習状況、意識を把握
進路希望調査と進路学習を組み合わせ、1年生から進路を意識させる
志望校検討会で生徒の様子を把握し、普段の声かけに生かす

「新入生宿泊研修」から「新入生初期指導」へ転換

 山形県立新庄北高校は、2006年度、初期指導の強化に乗り出した。同年に進路指導主事に就いた真木仁先生は、その理由をこう話す。
 「学年を離れた立場で学校全体を見たとき、進路指導課としてできることはないかと考えました。私自身、担任をしていたときは目の前にいる生徒の指導で手一杯で、3年間を見通した指導はほとんどできませんでした。しかし、3年生になってから何か仕掛けても、思ったような成果は得られません。1、2年生での進路指導を強化し、低学年からの意識改革を促すことが重要だと考えました」
 進路指導課がまず取り組んだのは、英語と数学の初期指導だ。06年度の入学直後の2日間、授業と放課後を利用して、予習の方法やノートの取り方などを実際に体験させるというものだ。特に家庭学習については、学年全体でオリエンテーションを行ったあと、クラスごとに予習↓授業↓復習の流れを実際に体験させた。それまでは、各教科の最初の授業で指導していたが、教師が一方的に教えるだけで、生徒に身に付いているかどうかを検証していなかった。
 2学年担任の五十嵐春美先生は、「この初期指導では、英語、数学のそれぞれ複数の教師がクラスに入り、ティーム・ティーチングで指導しました。個別に丁寧に指導できるため、生徒も理解しやすかったようです」と評価する。
 この初期指導をきっかけに、それまで行っていた新入生宿泊研修をやめて、校内で初期指導の充実を図れないか、という声が上がった。宿泊研修は教師の負担が大きいが、あまり成果が見られなかったからだ。校内での議論を経て、07年度には宿泊研修を廃止。教務課が主管となり、入学式直後の3日間で、各分掌と国・数・英のオリエンテーションなどの新入生初期指導を実施した。数学と英語については、06年度に実施した初期指導の方法をほぼ踏襲。08年度も同様の初期指導が継続され、学校全体としての初期指導の重要性が認識されるようになった。


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