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1年生にも志望校検討会を行い学年団全体が個々の志望を把握
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教師同士の意識の共有を徹底させるために、07年度の1年生から年2回の志望校検討会を始めた。それまでは3年生の秋に予備検討会、センター試験直後に本検討会を行っていたが、1年生秋に文理分け検討会、1年生3月、2年生秋と3月に志望校検討会を取り入れた。学年団と進路指導課が一堂に会し、模試結果と志望校を比較しながら生徒一人ひとりの志望を考える。
検討会でベテラン教師から「この生徒ならもっと上を目指せる」といった意見が出れば、若手教師も自信を持って上の大学を目指すよう生徒に勧められる。また、生徒全員の志望を把握することで、他クラスの生徒に対しても普段の教科指導とは異なる観点から声をかけられる。 (たかはしご)橋先生は、「国際関係を志望する生徒に『この本を読んでみたら』というようなアドバイスを意識的にできるようになりました」と話す。
実は、志望校検討会の最大のねらいはこうした生徒とのコミュニケーションを通して信頼関係を築くことにある。「指導で最も重要なのは生徒との信頼関係。『先生たちはみんなを一人ひとり見ている』というメッセージをさりげなく送ることで、生徒の意欲を高めていきたいと考えています」と、真木先生は期待を込める。 |
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実績を出すことによって取り組みを全学年に広げたい
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現在、卒業生に「人材バンク」へ登録してもらい、アンケートで大学生活の状況、後輩へのアドバイスなどの情報を集め、「進路通信」を通じて生徒に紹介している。今後は、生徒の意識向上のため、志望大別の学習会、卒業生による学部・学科ガイダンスなどを取り入れていく。
課題の一つは、担任の負担軽減だ。「部活動顧問なども巻き込み、指導を分担できる体制を検討しています。生徒と最も向き合うのはあくまでも担任ですから、担任が困ったときは、ほかの教師がいつでもサポートできるようにしたい」と真木先生は打ち明ける。
現2年生が中心に取り組んできた活動を全校に広げ、同校のスタンダードとして定着させることも重要だ。同校には、効果があるとみれば、教師の負担が大きくても全校を挙げて取り組む風土がある。学習記録を毎日生徒に書かせてチェックする取り組みを、全学年で実施しているのもその証拠といえる。
「改革を全学年に波及させるためにもしっかり成果を上げ、すべての先生に効果を実感してもらうことが大切」と真木先生は強調する。初期指導を強化し始めた現2年生の実績が「スタンダード」確立の鍵を握っているといえそうだ。 |
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