チューター制は2、3年生で取り入れている。生徒は、新任教師を除いて、常勤教師全員の中から1人を選ぶ。毎年5~6月、申請書に第3希望まで、第1希望の教師については理由も添えて提出する。基本的に、教師が引き受ければ申請はそのまま通る。そのため、特定の教師に登録が集中することもあり、例えば、木村先生には最多の49人が登録している。
申請の理由は生徒によってさまざまだが、圧倒的に多いのは「話しやすい」「信頼できる」だ。美術科の生徒ならば「悩みを理解してくれる」教師、特進コースの生徒ならばあえて苦手教科や受験科目の担当教師を選び、個別指導を求めることもある。「意欲の高い生徒が選ぶのは、必ずしも『優しい先生』ばかりではありません。厳しい教師ほど愛情を持って接してくれていることを、生徒はしっかり感じ取っているのでしょう。生徒が教師に何を求めているのかが鮮明になりました」と木村先生は話す。
チューターの登録は1年ごとに更新するが、3年生の登録時には、多くの生徒が2年生と同じ教師を指名する。チューターに対する生徒の信頼度、満足度の高さを示しているといえるだろう。
ちなみに、1年生の段階ではだれが自分に合っているのかわからないとして、チューター制は実施していない。1年間は、どの教師に登録するのかを検討する期間としている。 |