指導変革の軌跡 奈良県・私立橿原学院高校
VIEW21[高校版] 新しい進路意識向上のパートナー
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生徒から寄せられる期待が教師の熱意を引き出す

 生徒とどのように接するのか、どこまで面倒を見るのかは、すべてチューターに任される。
 「担任や教科担任ではない教師に、進路や勉強の相談をするのは、生徒にとって気が引けるものです。しかし、チューターという存在が決まっていれば、生徒は担任や教科担任に遠慮しなくて済む。信頼する教師との接点を保証することが、学習や進路に対する意欲につながればと考えました」(松下先生)
 生徒とチューターが話すのは、休み時間や放課後などの時間が大半だが、携帯電話やパソコンのメールを使っての相談も多い。教師によっては、行事や試験の前には1日に十数通ものメールが送られてくる。メールを使って、夜中まで勉強や小論文の指導を行う教師もいる。この方法ならば、大勢の生徒と時間を気にせずコミュニケーションが取れ、個々の生徒のプライバシーも守れるからだ。
 「生徒の期待に応えたいという意識を教師に持ってもらうことも、チューター制のねらいの一つ」と松下先生。個別に学習を指導したり、問題集を薦めたりする教師は増えている。
写真
写真:チューター・担任にかかわらず、普段からよく生徒に声をかけている教師に、多くの生徒が集まる傾向が強い。積極的に生徒にかかわっていくことが、生徒の信頼を得る重要なポイントのようだ

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