英語の使用経験については、学校や生徒のレベルによって差があった。韓国ではケーブルテレビやインターネットの普及率が高く、英語専用チャンネルも多いが、それらを英語力向上のために意識して活用している生徒は必ずしも多くはなかった。教師の指導もほとんどなく、インタビューに応じた複数の教師が「中学校における活動量の多さが反映しているのではないか」と指摘する。
意識の高い生徒は、留学先の友だちと英語でチャットをしたり、ときには家族と英語で話したりするという。母親と一緒に英語を勉強しているという家庭もあった。長沼講師は「英語力の高い生徒の周囲には、英語や教育に高い関心を持っている友だちや保護者が多い。意識の面でも、地域や家庭の影響力は大きい」と指摘する。
4校のみの調査で一般化することはできないが、韓国の高校生は修能試験の影響を強く受けているものの、日常的に英語を使うことに対する抵抗感は少ない。圧倒的な量のインプットにより、実用英語にも対応できる潜在的な力を持っている生徒も多いといえそうだ。
詳細な調査結果および分析については、08年11月に報告書としてまとめる予定である。
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