特集 つなぐ教師の教科指導力
尾崎健次

長崎県立北松西高校教頭

尾崎健次

Ozaki Kenji
教職歴28年。同校に赴任して1年目。長崎県立上五島高校、長崎県立諫早高校等で教壇に立つ。

狩野博臣

長崎県立西陵高校

狩野博臣

Karino Hiroomi
教職歴19年。同校に赴任して13年目。3学年主任。進路指導部。長崎県立対馬高校、長崎県立諫早高校で教壇に立つ。

島崎史子

長崎県立西陵高校

島崎史子

Shimasaki Fumiko
教職歴2年。同校に赴任して3年目。3学年担任。教務担当。大学在学中に教師を目指し、故郷の英語教師に。

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【座談会】 私が考える教科指導 英語

「What my students want」を
常に考えることが指導力を高める

目指すべき授業とはどのような内容か、生徒に力を付ける教科指導とは何か。
そして、それを実現させるために、どのようにすれば指導力を上げられるのか。
英語科のベテラン、中堅、若手の先生3人に、それぞれの経験を基に教科指導について話し合ってもらった。

「生徒把握」は教科指導の土台となる

狩野 教師になって今年が20年目になります。振り返ってみると、最初の10年は、自分なりの指導の核をつくるために格闘した期間だったと思います。いろいろな先生の授業を見学し、これはと思う指導法を取り入れて、自分なりに工夫を重ねてきました。次の10年は、いかに一人ひとりの生徒に合った指導をするかを模索してきました。教師になりたての頃は授業前の準備にかなり時間がかかりましたが、今はそれなりに教科の知識が蓄積されてきたので、だいぶ短時間でできるようになりました。しかし、同じ内容を教えるとしても、指導の仕方は、学校や生徒が変われば全く違う。今、目の前にいる生徒に合う指導はどのような方法なのかと、試行錯誤を繰り返しています。
島崎 私は教師になって3年目です。私が以前受け持ったクラスで、音読や個人ワークを中心とした俳句づくりなどを試みたのですが、どれもうまくいきません。ところが「おとなしい生徒たちだけれども、うまくいくかな」と思いつつ取り入れたグループワークとペアワークで、生徒は活発に意見交換し、いきいきと英語を使っていたのです。日頃から生徒の様子やクラスの特性をきちんと見て、実態に合った方法で授業をすることが重要だと実感させられました。
尾崎 同じ普通科の生徒でも、卒業後の進路が就職か進学か、進学でも4年制大か専門学校かなどによって、生徒が卒業までに身に付けなければならない力は異なり、必然的に教えるべき内容も変わります。更に、限られた時間で必要な内容を教えるためには、計画が必要です。今、生徒が目標までのどの段階にいるのかを把握し、更にこれからどれだけ伸びるのかを予測した上での指導が、本来求められているのだと思います。1年生なら3年間、3年生なら卒業までの期間を通した指導計画をきちんと立てる。生徒把握はその土台となります。

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