特集 つなぐ教師の教科指導力
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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英語を学び続ける忍耐力をつけさせる

狩野 生徒が学習を「させられている」と感じるのではなく、「わかる喜び」を実感させながら、しっかりと実力を高めていくような指導をどう実践していけばよいのでしょうか。
尾崎 例えば、私はテストは必ず当日に採点し、翌日には結果を生徒に渡します。生徒が忘れないうちに褒めて、復習を促したいからです。テストのたびにそうすることが、生徒の達成感につながります。知識欲を引き出す一つの方法でもあります。
島崎 私は授業の中で時々ゲームをしますが、単に楽しいゲームで終わらずに「わかった」「できた」と達成感が感じられるような場面を取り入れています。インプットとしての理解→定着→アウトプットとしての自己表現の三つのステップを、小テストや音読、プレゼンテーションなどの活動でレベルを少しずつ上げながら行い、達成感を与えることで生徒の力を伸ばしていくことができると思います。
尾崎 そうした学びへの動機付けは、とても大切です。一方で、英語力を高めるには、単語や文法、構文の学習を地道に繰り返し、量をこなさなければならない。それには、我慢して英語学習を続けられる忍耐力などが必要です。近年の生徒はそういう学習に慣れていない。単調で生徒が無味乾燥に感じるような学習でも、「これは必要な勉強だから」と生徒にしっかり伝え、生徒にも「必要なんだ」と実感させなければなりません。
狩野 課題や追試などを課すと、生徒から一斉に「え~」とブーイングが起きて、不満そうな顔をされます。これが結構辛い。でも、それに耐えて、厳しく指導しなければならない。指導には、情熱と根気も重要な要素なんですよね。生徒にこれだけのことを教えよう、理解させようという情熱こそが、教師の原動力だと思います。そして、課題や予習をしてこない生徒にどれだけしつこく付き合えるかという根気強さも必要です。
教科指導を取り巻く現状
◎教師の多忙化や教師自身の指導力に関する意識の実態と、
生徒の学習実態の変化を示すデータを紹介する。
教師の実態

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