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作問力を高めることが指導力向上につながる |
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数学の指導力を高めるために、最も有効な方法は何でしょうか。
それは問題を「解く力」と「作る力」を鍛えることです。50点満点で平均30点を目標にテストの問題を作成したにもかかわらず、平均点が20点にしかならなかったのであれば、生徒の理解度に応じた問題作成ができていないということです。生徒の現状を踏まえ、この問題を通してどのような力を問いたいのか、ということを明確にした上で作問しなければなりません。
良い問題とは、授業をきちんと聞いていれば解ける問題です。特別なテクニックを身に付けていなければ解けない問題ではなく、授業で学んだ基礎・基本を組み合わせて考えれば解ける問題です。テストの結果が生徒のそのときの学力をきちんと反映したものになることも重要です。
そうした問題を作成するためには、生徒の現在の力を把握する力も必要です。生徒がどこまで理解しているのか、どこでつまずいているのか、授業で生徒の反応を見たり、机間巡視でノートをのぞいてみたりして、リアルタイムにつかむことが大切です。生徒の解答から学ぶこともあるでしょう。授業を教師のワンマンショーに陥らせないためにも、そうした観察力を養う必要があります。
指導力を高める条件の一つは、教師同士が切磋琢磨していくことです。よい意味での競争心を持つことも、指導改善の大きなモチベーションになり得るのです。前述した作問力についても、私自身、先輩教師から「こんな問題はだめだ」と批判を受けることによってスキルを向上できたと思っています。
「この公式はどのように教えているのか」など、ほかの先生に具体的な指導の方法を質問することがよくあります。そうすることで若手の先生の指導力を高めることができますし、私自身、そこから新しい視点をもらうことも多いです。
まず、教師個人が数学の面白さを忘れず探究心を失わないこと。それを生徒に伝えていくことが指導力の土台です。そして、そうした自分自身を高めていこうとする意識を教師全体で共有することが、指導力向上には欠かせない条件なのではないでしょうか。 |
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